台詞集

海賊アジト 戦う理由、死ぬ理由




シタン
「やあ、フェイ。
 よく無事で……!!
 心配したんですよ。▽

フェイ
「先生……。▽

潜砂艦“ユグドラシル”へようこそ。
私は執事のメイソンでございます。
先程はとんだ失礼を致しました。▽

執事メイソン
「既に自己紹介はお済みのこととは
 存じますが、改めて
 紹介させていただきましょう。▽
 我等、潜砂海賊の主
 バルトロメイ様でございます。▽

執事メイソン
「ところで若、ちゃんと
 フェイ様には
 おわびになられたでしょうね?▽

バルト
「え? あ、ああ……。
 ちゃんと『悪い』って言ったぜ……
 なぁ?▽

……。▽

まったく……。
何かあってから『悪い』では
通りませんよ、若。▽

副長
「申し遅れました。
 私はこの潜砂艦の副長で
 “シグルド”と申します。▽

メイソン
「では、何かお望みがあれば、
 遠慮なくお申し付け下さい。▽

バルト
「ってわけだ。
 勘弁しろよなっ!!▽

シグルド
「こらっ、若、
 おいたが過ぎますよ。▽

いててて!!
耳、ひっぱっんなって!

シタン
「それじゃあ私達は到着まで
 船室へ行きましょうか。▽
 これが結構快適に作られていてね。
 居心地がいいんです。▽

フェイ
「……。▽

シタン
「どうしたんです?
 元気ないですね?▽

フェイ
「いや……
 ちょっと……▽

シタン
「何かあったんですか?▽

フェイ
「何でもないよ。▽


メイソン
「驚かれたでしょう?▽
 近頃は若の近くにも
 ヤバンな……、
 いやいや元気の良過ぎる輩が
 多すぎましてな。▽
 教育係のこのメイソン、
 無理を言ってこのような部屋を
 こしらえたのでございます!!▽

(しかし、そのために
 内職せねばならないハメに……)▽


バルト
「もうすぐオレのアジトだ!▽


シグルド
「もうすぐアジトに着く。
 補給・整備のために
 しばらく停泊する事になろう。▽


若っ、
おかえりなせぇ!

おかえりぃ〜!
若ぁ〜!▽

おかえりなさい!
おかえりなさい!
おかえりなさい!
おかえりなさい!

若ぁ〜!
おみやげはぁ?▽

バルト
「おうっ!
 新型のギア一機に
 助っ人二人ってとこかな。▽

えーっ!
ギアなんかつまんないよ〜。
もっとめずらしいもん
ないのぉ〜?▽

バルト
「そういうだろうと
 思ってな……。▽

バルト
「ほら!
 砂漠の下の鍾乳洞で
 見つけたコハクだ。▽
 虫が入ってて
 珍しいだろ?▽

わ〜い!
若、ありがとう!▽

ボクらはコハクを手に入れた!

ナンチャッテ!▽

行こう!
みんなに自慢しなくちゃ!▽

バルト
「さて、と。
 オレはもうちっとギアを
 いじってるから……、▽
 フェイと先生は
 爺のお茶でも飲んで
 ゆっくりしててくれ。▽

バルト
「爺、よろしくな。▽

メイソン
「ささ、こちらへ。▽


メイソン
「ここが居住区で
 ございます。▽

メイソン
「こちらへ。▽


メイソン
「食堂でございます。
 粗末なところで
 申し訳ありません。▽


メイソン
「こちらへどうぞ。▽

メイソン
「当家自慢の
 お茶でもいかがですかな?
 フェイ様、シタン様。▽

メイソン
「いやはや、
 同じ年頃のお客人は珍しいとあって
 若のはしゃぐ事、はしゃぐ事。▽
 世が世なら若も
 こんな砂漠の上暮しなどでなく
 王宮で賑やかに……。▽

シタン
「王宮?
 では、あの少年は
 旧ファティマ王朝の……?▽

メイソン
「はっ?▽

メイソン
「い、いえ……、
 これは年寄りのおしゃべりが
 過ぎましたかな、ははは……。▽

シタン
「いえ、先程の片目の少年には
 そこはかとない気品が
 ありましたからね。▽

メイソン
「むむむ……。
 よくぞ言って下さった!▽

メイソン
「よろしい、
 お話ししましょう。▽
 あれこそ憎き
 宰相シャーカーンに滅ぼされた、
 誇り高きファティマ王朝
 最後の忘れ形見、▽

 “バルトロメイ・
     ファティマ殿下”
 でございます。▽

シタン
「バルトロメイ?
 エドバルト4世の
 世継ぎ……。▽
 確か、バルトロメイ王子は
 12年前、病死と報じられた
 はずですが…?▽

メイソン
「はい、表向きには。
 ですが真相は違うのです。▽
 若は、王亡き後
 アヴェの実権を握った
 シャーカーンによって
 幽閉されていたのです。▽
 その若を我々がお救いしたので
 ございます。▽

シタン
「しかし、なんでまた
 正当継承権を持つ王子が
 海賊行為などを……?▽

メイソン
「………。▽

メイソン
「我々はこの地に落ち延びてから
 ただ若がご立派に成長なされる
 ことだけを望んでまいりました。▽

シタン
「王位の復権よりも
 ですか?▽

メイソン
「そうでございます。▽
 もちろん、いつの日にか
 再び復権を……と願っていなかった
 といえば嘘になりましょう。▽
 実際、そのための準備も
 してまいりました。▽

シタン
「その一環が
 海賊行為である……と?▽

メイソン
「はい。
 しかし、これには
 理由がありまして……。▽

メイソン
「アヴェ、キスレブ共に
 遺跡発掘に一意専心。▽
 その力は日増しに強大になって
 ゆきました。▽
 このままでは同志達の助力を得て
 反乱を起こしたとしても、
 シャーカーンが掌握する近衛部隊に
 よって鎮圧されるは必定。▽

 我等にも力が必要でした。
 ユグドラシルを使い
 遺跡発掘を試みたのですが、
 思うになりませんでした。▽

 もとより遺跡発掘には多大な時間と
 人と資金が必要。▽
 いかに潜砂艦といえど
 砂中に埋もれる小さな遺物を
 発見するのが
 関の山だったのです。▽

シタン
「それで海賊行為を……。▽

メイソン
「遺跡技術はアヴェ、
 キスレブどちらの手に渡っても
 相手を制圧する戦力となります。▽
 両国間の軍事力の均衡をはかりつつ
 新たな戦力を削ぐ……という
 若の発案に賛同したのです。▽

シタン
「手ずから遺跡を発掘するよりも
 横からかすめ取る方が
 遥かに効率が良い……、▽
 という訳ですか。▽

メイソン
「無論、略奪という行為
 それ自体は許されないこと
 なのでしょう。▽
 が、しかし
 アヴェを、
 イグニスを、
 このままにしてはおけない……、▽

 というのは
 独善的でしょうか?▽

シタン
「それについては私達外部の者が
 とやかく言えることではありません。▽
 ただ、お話をうかがうに
 あなた方のやっておられる事は
 結果的に良きこととなるのでしょう。
 ここの子供達を見れば分かりますよ。▽

メイソン
「そう言って頂けると
 癒されます。▽

メイソン
「ところでお茶のおかわりは
 いかがで?▽

シタン
「ああ、どうも。
 いただきます。▽

シタン
「先程、戦力が
 整いつつあるとおっしゃったが
 何故事を実行に移さないのです?▽

メイソン
「マルー様さえ幽閉されて
 いなければ、サイは
 投げられていたはずなのです。▽

シタン
「その方、
 ひょっとしてニサンの……?▽

メイソン
「よくご存じで。▽
 ニサン法皇府の教母
 マルグレーテ様、
 若の従妹にあたる方で
 ございます。▽

シタン
「そのニサンの教母を
 何故シャーカーンが?▽

メイソン
「“ファティマの碧玉”で
 ございます。▽

シタン
「あの至宝の在処を
 示したといわれる
 碧玉の事ですか?▽

メイソン
「シタン様はあらゆる事を
 ご存じなのですね?
 いやはや感服いたします。▽

!

メイソン
「爺の紅茶は
 お口に合いませんでしたかな、
 フェイ殿?▽

フェイ
「いや、そんなことないけど。▽

メイソン
「至宝といっても、
 全体どういったものなのかは
 私共にも皆目判らないのです。▽
 ただ、王国の危局を救う力を
 封じられた至宝……とだけ
 伝えられております。▽

シタン
「マルグレーテ殿が
 その在処を記した碧玉を
 お持ちなんですね?▽

メイソン
「正確にはその半片です。
 若とマルー様、それぞれが
 碧玉の片方づつを持っておられ、▽
 それが二つ揃わなければ
 至宝の在処は判らないのです。▽

シタン
「その碧玉ですけど、
 具体的にどういった物なのですか?▽
 半片の碧玉という言葉から
 宝石か首飾りのような物を
 連想するのですが……?▽

メイソン
「実は、その実体は
 アヴェ・ニサン代々の継承者、▽
 すなわち若とマルー様にしか
 知らされていないのです。▽

シタン
「なるほど、
 それでマルグレーテ殿が
 幽閉されているという訳か。▽
 私の知るところから判断するに、
 実体が明らかになれば
 マルグレーテ殿は生きては……▽

シタン
「ああ! すみません。 つい。
 いや……そういったことも
 あるかな……と。▽
 あくまでこれは
 たとえですから
 どうかお気になさらずに……。▽

メイソン
「いえ、それは事実で
 ございましょう。▽

シタン
「……。▽

シタン
「コホン、
 至宝とは一体
 なんなんでしょうね……?▽

メイソン
「さて?
 私にも一向に……。▽

ギアだよ、ギア!
それしかないって!▽

メイソン
「若、
 ギアの整備は
 どうなさいました?▽

バルト
「ああ。
 シールしてんのに
 関節が砂食っちまってさ。▽
 メンドーだから連中に任せてきた。
 俺はもっぱら乗るのが仕事。
 それに俺、機械苦手だかんな、
 いても邪魔になるだけだって。▽

若……。▽

バルト
「で、なんの話だっけ?▽

シタン
「至宝の正体はギア……
 ですか?▽

バルト
「ああ、そうそう。
 実はな、アヴェ建国の絵巻物の中に
 それらしい描写があるんだ。▽

シタン
「絵巻物?▽

……。▽

バルト
「よし。
 じゃあ、作戦室に来てくれ。
 特別に見せてやるよ。▽

シタン
「そいつは面白そうですね。▽


シタン
「こいつは凄い。
 ここまでの設備は都にも
 そうあるものじゃない。▽

バルト
「へへへ。 驚いたかい?
 これらはみんなシグの奴が
 集めてくれた技術のお陰さ。▽

バルト
「コラ、フェイ、
 スクリーンの上に立つんじゃねぇ。
 見えねぇだろ?▽

バルト
「よし。
 おい、スクリーンに例のやつを。▽

シタン
「これは……?▽

バルト
「およそ、500年前の絵巻物。▽
 “総身に炎をまといて
  巨人と血の契約交わせし王”、
 ファティマ一世だ。▽
 一世はこの巨人の力を借りて
 アヴェを建国したと言われてる。▽

シタン
「こんな昔の絵巻物が
 よく残っていましたね。▽
 この類の記録は
 全て教会が管理しているものと
 思っていましたが。▽

バルト
「普通はな。
 親父の遺品の中にあったんだ。▽

バルト
「次のやつを。▽

バルト
「建国後、一世は後世の人間のために
 どこかにこの巨人を眠らせたらしい。▽
 もっともその場所がどこなのかは
 わからない。
 だが、別の記録ではこの巨人を
 “ファティマの至宝”と呼んでる。▽

シタン
「で、“碧玉”の方は?▽

バルト
「おいおいおい。
 あんたうまいな。▽
 ひょっとして
 シャーカーンのスパイか
 なんかじゃねーの?▽

シタン
「い、いえ滅相もない。
 私はただ知的好奇心から……。▽

バルト
「冗談だよ。 まぁ、碧玉は
 至宝を手に入れるためのカギ……
 みたいなものさ。▽

シタン
「カギ……ですか。▽
 とにかくそのカギを
 アヴェを乗っ取ったシャーカーンが
 狙っている……と。▽

バルト
「ヤツだけじゃない。
 ゲブラーの連中も碧玉を
 狙っているらしい。▽

シタン
「そうですか。
 これはマルグレーテ殿を一刻も早く
 助け出さねばなりませんね。▽

バルト
「だろ?▽

バルト
「そこでだ。
 あんたらを助けたついでに
 一つ頼みたい事がある。▽

シタン
「ひょっとして
 彼女の救出を助勢してくれ……
 ですか?▽

バルト
「察しがいいねぇ、
 その通り。▽
 シグルドから聞いたけど
 成り行きとはいえ
 キスレブとアヴェの両方から
 追われてるんだろ?▽
 どうだい?
 そんなに悪い話じゃない
 と思うが。▽

シタン
「一宿一飯の恩義もありますし、
 私でお役に立てること
 でしたら何でもしますが……。▽

シタン
「フェイはどう思います?
 さっきから一言もしゃべって
 いないようですけど……。▽

バルト
「そうそう。
 鍾乳洞でのアレ、
 凄かったじゃねぇか。▽
 あの力さえありゃあ
 シャーカーン部隊の十や二十、
 ものの数じゃないぜ?▽

……。▽

バルト
「なぁ、
 お前の力が欲しいんだよ。▽

フェイ
「なんでみんなで俺を
 戦わせたがるんだっ!?▽

バルト
「お、おい……、
 どうしたってんだよ?
 いきなり。▽

フェイ?▽

フェイ
「俺は今、
 それどころじゃないんだ!▽
 『力が欲しい』?
 俺にはそんなもんないんだよっ!
 なのに、お前も先生もあの男も、
 何故みんなで……。▽
 俺は考えなきゃいけないこと
 だらけなんだ!
 あのギアの事や、
 グラーフと親父の事……。▽
 そんなことに
 付き合ってられる程
 俺は暇じゃない!!▽

バルト
「な、なんだあいつ?
 カンシャク持ちかなんかか?▽

シタン
「い、いえ、けっして
 そういう訳では。
 すみません。▽
 矢継ぎ早に起こった出来事を
 まだ整理できてないのです。
 察してやって下さい。▽

……。▽


あたちたちね〜、
これから
ギアせいびの
おてつだいするの。▽

するの〜。▽

じゃあね〜。▽

……。▽


!!

バルト
「ったく。
 フェイのやつ
 なんだってんだ。▽
 せっかく仲間にしてやるってのに
 いきなり怒りだしやがって……。▽

バルト
「まぁ、あいつもいろいろと
 メンドー抱えているみたいだしな。
 無理強いするのもなにか……。▽
 けど、いいケンカ相手に
 なりそうなんだよなぁ……。
 やっぱ、また誘ってみるか。▽

じゃ、エレベーターの下で
まちぶせしてと……。▽

……。▽


バルト
「ちょっといいか?

→ああ、いいぜ


→後にしてくれ

バルト
「じゃあ、また後で来てくれ。▽


バルト
「もういいのか?

→ああ、いいぜ

バルト
「シタン先生から聞いたぜ、
 今までのお前の話。▽
 お前ちっとも話して
 くれなかったじゃねーか。
 いやー、大変だったんだなお前も。▽

バルト
「さ、さっきは
 オ、オレが悪かった……、▽

バルト
「許してくれよな?▽

……。▽

よっと!!

バルト
「で、また
 あの話だけどよ……。▽

フェイ
「断る。▽

何?▽

フェイ
「俺はバルトみたいに
 戦いが好きじゃない。▽
 ギアにも行きがかり上、
 仕方なく乗っているだけだ。
 出来れば乗りたくない。
 そんなにあれが欲しければやるよ。▽

バルト
「俺が好きで戦っている……
 ってのか?▽

フェイ
「そうだろ?
 どうみてもそうとしか思えない。▽
 戦いを楽しんでいるようにしか
 俺には見えない。▽

バルト
「聞き捨てならねぇな。今のは。
 誰が好きで戦ってるって?
 撤回しろよ。▽
 俺には好きとか嫌いとかじゃなく
 戦わなくちゃいけない
 理由があるんだ。
 それをお前は……。▽

フェイ
「俺には戦う理由なんかないんだよ!
 戦いたくもない。
 静かに暮らしていたいだけなんだ。▽
 なのに何故そうまでして
 俺をギアに乗せたがる!?
 何故そっとしておいてくれない!?▽

バルト
「だからそれは
 お前の腕を見込んで……▽

フェイ
「俺は嫌なんだ!▽
 俺がギアに乗れば
 誰かが必ず傷つく。
 俺が戦えば誰かが必ず犠牲になる。▽
 もう誰も傷つけたくない!
 誰も犠牲にしたくないんだ!
 嫌なんだよ……そういうの……。▽

バルト
「ふん。
 目の前の現実から逃げたい気持ち
 わからん訳じゃないがな……。▽
 お前、そんなことで遺された
 村の子供達が納得するとでも
 思ってんのか?▽

……。▽

バルト
「ラハンでの一件なら
 先生から聞いたよ。▽
 だからってお前、何もしないでいて
 いいのか?
 たしかに直接的にはお前がギアに
 乗ったことでの出来事かもしれない。▽
 しかしな、たとえお前がギアに
 乗らなくても犠牲者は出てた……
 多分な。▽
 原因はお前じゃない。
 戦争……いや、そういったものを
 引き起こそうとする人間に
 原因があるんだ。▽
 だったらその原因を取り除かなきゃ
 なんにもなんねぇだろ。▽
 原因を無くす為に戦う……
 今は他にいい方法がないから
 そうするしかねぇが、少なくとも
 俺はその為に戦っている。▽
 別に好きで戦っている訳じゃない。▽

バルト
「お前が村の子供達に対して
 罪の意識を持ってるのはわかる。
 傷つけたくないってのもわかる。▽
 けどな、その子供達に罪滅ぼしを
 したいってのならば、
 争いはなくさなくちゃ
 いけないんじゃないのか?▽

バルト
「お前にだって戦う理由があるんだよ。
 戦わなくちゃいけない理由がな。▽
 だが、その戦いを放棄して
 お前が逃げ回っている限り、
 村の子供達は絶対にお前の事を
 許しちゃくれねぇ。▽
 それだけは憶えておけ。▽

バルト
「それと言っとくが、
 俺に協力出来ないことを
 逃げると言ってんじゃねーからな。▽
 別に協力してくれなくたっていい。
 これは俺自身の問題だからな。
 無理強いして、
 お前を巻き込みたくはない。▽
 ただな、俺は、お前程の腕があれば
 その現実と対決出来ると……
 村の子供達にも罪滅ぼし出来ると、
 そう思ったんだがな……。▽

悪かったな。
手間ぁ取らせて。▽
そういや、メカニックが
お前のギアのことで
何か話があるらしい。▽
ま、今のお前にとっては
関係の無いことかもしれんが
まぁ、顔ぐらい出しとけよ。▽

フェイ
「…………。▽


お前さんのギア、いろいろと
いじってみたんだが……。
攻撃、防御、エーテル感応値共、
非常にバランスの取れた機体だな。▽
ただな、いくつかバラせないパーツ……
まぁブラックボックスっていうのか?▽
そういうとこが機体の何カ所かに
あるんだよな……。
お前さん、心当たりはないのかい?▽

フェイ
「いや……。▽

フェイ
「……。▽

フェイ君!

フェイ
「シグルドに、先生……。
 何か用……?▽

シグルド
「少し話があるのだが……。▽

フェイ
「あ、ああ。▽


シグルド:
「あれを……。▽

なぁ、親父……聴こえてるか?
俺、初めてフェイの瞳を見た時
感じたんだ……。

こいつは俺といっしょだ。
こいつなら俺の気持ちを
解ってくれるかもしれない……って。
でもあれは気のせいだったのかな?

俺は自信がないよ。
親父の後を継ぐなら……、
飾りでいるだけならまだしも、

遺言を実行することなんか
今の俺にはとても出来ない。
マルーだって救いだせやしない。

俺はやつに逃げているだけだ
なんて言ったけど、
本当に逃げ出したいのは
俺の方なのかもな……。

シグルド
「若が君に謝っておいてくれとね。
 おかしいだろう?
 自分で謝ればいいのに。▽
 素直じゃないんだよ、
 若は……。▽

シグルド
「ああ見えても
 若は結構寂しがり屋でね。
 友人を求めているんだ……いつも。▽
 だが我々は彼の友人にはなれない。
 否、我々がそのつもりでも
 彼はそう見ようとはしないだろう。
 それを若はわかっているんだよ。▽

シグルド
「何故かって?
 それは若の背負っているものの
 重さ故なんだ。▽
 あの若さでそれら全ての
 重荷を背負うのは辛いことだ。
 しかし若はそれに応えようと
 してくれている、精一杯ね。▽
 だから我々は若に
 付き従っているんだよ。
 別に王子だからとか
 そういうのではなくてね。▽

シグルド
「フェイ君、
 きっと君も何か途方もない重荷を
 背負っているんだろう。▽
 これは私からの勝手なお願いだが、
 若を助けてやってはくれまいか?
 彼の重荷を背負ってくれ、
 というのではないんだ。▽
 若と何かを……
 君達にしか解らない何かを
 共有してやってはくれないか。
 お願いだ。▽

フェイ
「ごめん。
 しばらく考えさせて
 くれないかな……。▽

シグルド
「ああ、もちろんそれは君の自由だ。
 まぁ、どちらにしろ
 明日は早朝に出港を予定している。▽
 旅立ちの準備が整い次第、
 休息をとって今までの疲れを
 とるといいだろう。
 上の居住区の寝室を使ってくれ。▽

シタン
「私はまだシグルドと
 話したいことがあるので
 先に休んでて下さい。▽

……。▽


起きたらすぐ出発だ。
準備は出来てんのか?

→待ってくれ

おう、準備が出来たら
いつでも言ってくれ。▽


→ああ、いいぜ

忘れものはないな?

└→待ってくれ

おう、準備が出来たら
いつでも言ってくれ。▽


└→ああ、いいぜ

そうか。
じゃあゆっくり休むといい。▽

フェイ
「なんか……もう
 とても…疲れた……。▽


ブロイアー
「正解。
 間違いなくやつらの巣だ。▽

ヘルムホルツ
「意外にもろい岩盤だったな。
 もう少し手こずるかと思ったが…。▽

ストラッキィ
「地上人<ラムズ>風情が
 いいとこ住んでんじゃねぇか…。▽

ランク
「こいつぁ……
 ブレイダブリクの施設より
 遥かにいい造りしていやがる。▽
 どうやらここは先王時代に造られた
 隠しとりでの一つらしいな…。▽

フランツ
「そんなこと、どうでも
 いいじゃないか。
 ちゃっちゃと片づけちまおうよぉ。▽

ストラッキィ
「さてと……。
 ギアはどこだ?▽

ストラッキィ
「こっちか?▽

ヘルムホルツ
「右だ!
 ハンガーがある。▽

ストラッキィ
「!!▽

フランツ
「見ぃつけたぁ〜!!▽

ヘルムホルツ
「海賊組織の汎用ギア
 “ディルムッド”だな▽

フランツ
「ははっ!
 見なよ。▽
 やつら、押っ取り刀で
 駆けつけてきたみたいだよぉ。▽

ストラッキィ
「いいじゃねぇか。
 そうでなければわざわざ侵入した
 甲斐がない。▽

ランク
「ようし!
 シュピラーレは後方で待機!▽
 しゃしゃり出てくる障害物は
 各個に撃破だ!▽

ヘルムホルツ
「準備完了!!▽

ストラッキィ
「こっちも大丈夫だ!▽

ブロイアー
「いつでもいいぞ!▽

ランク
「GO!!


なんだ、今の衝撃……?▽

ユグドラシルドックにギア侵入……!
ゲブラー特殊部隊ギア5体、
未確認の大型ギア1体と推定されます!
全パイロットはギアハンガーへ!▽


非戦闘員はユグドラシルに
避難するんだ!!
急げッ!

わ〜ん、
コワイよ〜!!


フェイ!!▽

シタン
「フェイ!!
 早くヴェルトールにっ!!▽

フェイ!?▽

シタン
「若くんたちが
 戦っているのですよ!▽
 あなたは何もしないのですか?
 関係ないとでも言うのですか!!▽

……。▽


フェイ
「オレは……▽

フェイ
「オレは
 一体
 何者なんだ?▽

フェイ
「あいつは……
 あの男は、オレのことを
 “神を滅ぼすもの”と呼んだ……▽

フェイ
「そんな力
 オレは
 いらない……▽

おれの……
ちから……

おれの……
居場所……


バルト
「一体何機ギアがいるんだっ!!
 ザコは一通りかたづけた
 ようだが!?▽

バルトの部下
「少なくとも残り4、5体はいるかとっ!
 今までのとは性能もテクも
 段違いですっ!!▽

バルト
「っくしょぉ!!▽

バルトの部下
「若ッ!!来ますよっ!!▽


バルト
『くっそぉ〜! 手間取らせやがって!』


シタン
「メイソン卿、
 このギアは動くんですか?▽

メイソン
「は? はい、
 一応動くことは動きます。
 ですが……。▽

よしっ!▽

メイソン
「いけませんっ!
 それは未だ整備中なのです。
 とても稼動出来る状態では……。▽

シグルド
「いいんだ、メイソン卿。

メイソン
「シグルド様っ!
 しっ、しかし、シタン様の
 ような方では……?▽

シグルド
「いいんだ。 奴ならば大丈夫。
 あれでも物足りない
 くらいかもしれない。▽

シグルド様……?▽

シタン
「さて……。
 5年ぶりの実戦か……。
 体が憶えていてくれれば……。▽


シタン
「ほ!なかなかのじゃじゃ馬ぶり…
 ならしには丁度いいですね。
 気に入りましたよ。▽

ブロイアー
「ウォォォォッ!!▽

シタン
「新手かっ!?


ブロイアー
「い、イテェじゃねぇか!!▽

シタン
「私の友人の痛みに比べれば
 あなたの痛みなど……!!▽
 無抵抗な人々をなぶる
 貴方たちのその姿勢、
 許す訳には行きません。▽
 代わりに私がお相手しましょう。
 かかってきなさい!▽

ブロイアー
「??
 何言ってやがんだ!!▽


シタン
『まっ、こんなとこですか。』


シタン
「なまっているなぁ……。▽
 体に染み着いたものと違って
 こうやって後から体得したものだと
 やはり無理があるか。▽
 それにしても
 これだけ攻撃しても
 倒れないところを見ると、
 彼等“例の物”をやってますね。▽

シタン
「若くん!
 彼等は戦意昂揚剤<ドライブ>を
 打ってます!▽
 なまじの攻撃では
 倒れませんよ!▽

バルト
「マジかよ?
 どおりでネチネチとしつこい!
 クソッ、きりがねぇっ!▽

シタン
「フェイ!!▽

バルト
「もういいっ!
 あんな奴、ほっとけ!!▽


!!

おねぇちゃん!!

フランツ
「どこへ行こうってんだい?

や、やめて……

フランツ
「ケナゲだねぇ……、
 さぁて、君はどんな声で
 さえずってくれるのかなぁ?▽

キャァァァァァァァ!!!!

んだぁ!?▽

フェイ
「お前たちは何故戦う!?▽

フランツ
「こ、こいつ、
 何言ってやがる!?▽

フェイ
「戦って何を得られる!?▽

フェイ
「自分の居場所が
 あるっていうのか!!▽


シタン
「フェイっ!!▽

バルト
「やっぱお前っ!!▽

フェイ
「そういうのは後にしようぜっ!
 デカいのがっ!▽


バルト
「……。
 あ、あ、あり……▽

バルト
「ありがとう……
 フェイ。▽

フェイ
「バルト……。▽

シグルド
「ありがとう、フェイ君。
 君の加勢がなければ、
 今頃どうなっていたか。▽

フェイ
「俺……、まだ、
 自分が何をすればいいのか
 分からないんだ。▽

シグルド
「フェイ君……。▽

フェイ
「バルトのしていることは
 私利私欲のためじゃない。▽
 周囲の人々の幸せを願って
 一歩一歩自分の信じた道を
 歩んでいる。
 それに比べて俺は……。▽

シグルド
「……。▽

フェイ
「俺、自分の前には
 進むべき道がないと思っていた。▽
 でもあいつの言うように、
 それはただ逃げているだけ。
 道は自分で見つけなきゃいけない。
 そうだよね、先生?▽

フェイ
「バルトが望んでるなら
 俺、協力するよ。
 今はそれしか出来ないから……。▽
 でも、その中で自分の進むべき道を
 見つけようと思うんだ。
 それにあんな恐ろしい連中を
 ほっとけないよ。▽

シグルド
「ありがとう、フェイ君。▽



    

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