解説辞書


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アイザック・バルタザール
アヴェ近郊地下の鍾乳洞に住んでいる老人。
シェバト三賢者の1人で、ギア工学の天才。
500年前のソラリス戦役では、地上軍のギア製造、整備を行った。
アベル
デウスとゾハルの連結機動実験中、ゾハルに降臨した波動存在と接触した少年。
何故、連結実験中のゾハルの近辺にいたのかは不明。
その後、エルドリッジに乗艦。接触者であった為、墜落時の唯一の生き残りとなる。
原初のエレハイムと出会い、以後の生活を共にする。
人々の現人神として君臨するカインに反発。
カインはアベルの抹殺を計画、実行するが、エレハイムが身を挺してアベルを守り死亡。
接触時、ゾハル及び波動存在の力の一端が、アベルに流れ込む。
これにより、接触者として転生を繰り返していくことになる。
名称は旧約聖書に登場するアダムとイヴの次男アベルより。
アルル
ラハン村のアイドル的存在の少女。幼い頃に両親を亡くし、叔父夫婦に育てられる。
ティモシーとの結婚を前に、フェイへの想いに心を悩ませていた。
イド
幼少の頃、苦痛から逃れるために形成されたフェイの別人格。
カレンの死に直面し、基礎人格から完全に解離した。
その後はグラーフと共に行動。エルル壊滅など、憎悪に満ちた破壊的な性格と力を発揮。
苦痛を与える者…実験を繰り返す母、助けてくれない父、それを押し付ける基礎人格に憎悪を感じていた。
グラーフによる訓練で殺人術を身に付けたことで、これを憎悪発散の手段とする。
父カーンによって一時意識下に封印されるが、ラハン村襲撃時に再覚醒。
以後はフェイが特定の状況に直面することで発露していくようになる。
特定の状況とは、「為す術なく、ただ無力に見ることしか出来ない」時。
形成の直接的な原因は母子関係にあるが、接触者として各時代で経験してきた喪失体験や、ラカン時代のゾハルとの接触なども大きく影響している。
名称は精神分析学における欲動の意。
ヴァンダーカム
元アヴェ駐留部隊指揮官。解任後は国境警備隊を指揮。
艦砲射撃を絶対と信じる時代錯誤な采配が命取りとなった。
ウォン・カーン
フェイの父。シェバトで武官を勤めている。
ニサン正教の修道女であったカレンと出会い、結婚。翌年フェイが生まれる。
ゼファーからの要請もあり、これを期に地上に降りる。
4年後、来襲したグラーフと闘うが敗北し、カレンはフェイの暴走で死亡し、フェイは連れ去られる。
その後、グラーフの行方を探し求め、再戦。この時、グラーフに憑依された。
ウォン・フェイフォン
3年前、「仮面の男」によってラハン村に運び込まれ、以来リー村長宅で生活している。
運び込まれた時、心身ともに非常に大きなダメージを負っており、数日の間、生死の境を彷徨った。その後、意識が戻り身体も回復したが、回復以前のほとんどの記憶を失っていた。
絵を描くことと武術に長けており、これが漠然とした記憶の拠り所となっている。
ラハン村では、明るく、動物好きで優しい青年として、村人も好意的に接してくれている。
特に年下の子供達に慕われており、よく一緒に遊んであげている。
アルル、ティモシーという親友も出来、2人の結婚式を少々複雑な心境で迎えようとしている。
ラハン村襲撃事件で、フェイの中から破壊的な人格「イド」が覚醒。
また、エリィと出会うことで、遥か古より続く「転生」の記憶が断片的に蘇っていく。
――転生―記憶のフラッシュバック
接触者であるフェイは、波動存在の影響により、転生後も前世の記憶を持ち続けるが、それは明確な記憶ではなく、断片的な場面のフラッシュバックという形で意識されることが多い。
接触者の転生は原初のアベルに始まり、ゼボイム文明期のキム、ソラリス戦役期のラカン、そして現代のフェイへと続き、各時代とも、この世界のヒトによって、大きな転換期となっている。
デウスの復活が現代に至るまで成されなかったため、接触者としての根本的な役割は果たしていないが、その存在はその当時の世界に対して、大きな意味を持っていた。
――人格形成の要因と精神状態
フェイの中には、本来のフェイ以外の人格が存在し、時に表面化して別人格者となる。
シタンはこれを解離性多重人格と診断している。
特に破壊的な性格を持つイドは、幼少の頃に受けた陰性外傷により形成された。
母カレンの死によって基礎人格は“殻”に閉じ篭り、イドは父カーンの手で深層意識の中に封印される。その代わりとして構築されたのが、ラハン村で目覚めた模擬人格のフェイ。
また、現実から目を背けるため、何も感じず、考えない4人目の人格を創り出す。
エーリッヒ・ヴァン・ホーテン
エリィの父。
元はソイレントシステムの統括官を務め、ニコラ博士らと共に、M計画の研究に携わる。
しかし、生体実験等の実態を知り退官。現在は特設外務省の事務職に就く。
エドバルトIV世
先代アヴェ国王。バルト、シグルドの父。
シャリーマの葬儀でシグルドと対面し、彼が実子であることを察知。
本来ならば14歳が規定である近衛士官見習いにシグルドを採用した。
シグルドを嫡子バルトと同等に扱う。
12年前、シャーカーンにファティマの碧玉の在り処を聞き出すために拷問を受ける。
自白剤の適用を前に、当時のニサン教母エルヴィラと共に自害する。
エメラダ
4000年前に栄えた文明の遺産。首都ゼボイムの医師であったキムの手で構築された、ナノテクノロジーによって生み出された生命体。
身体全体がナノマシンで構成されており、記憶や思考も、実際の脳細胞と同様の機能を持つ部位に処理される。
知能レベルは3〜4歳程度で、自分の中の記憶と感情に対して、非常に素直な反応をする。
キム(フェイ)がその愛情をエリィに向けていることを感じ取り、無意識のうちにエリィを疎んじている。
また、他の女の子達と身体構造が違うことに、軽いコンプレックスを感じている。
エメラダは自由に身体を変化させることが出来る。
常に少女の姿でいるのは、キムとエリィが後世に託した希望…自分の存在意義(予想され得る子供像)を、エメラダ自身が大切にしているから。
――ナノマシン群体
ナノテクノロジーを応用することで、デウスを従属させることが可能であるため、カレルレンは自己の学んだナノテクノロジーをさらに発展させることを望んでいた。
師メルキオールより譲り受けたキムの論文とこれまでの調査によって、ゼボイム遺跡にキムによって形成されたナノマシン群体が眠っていると確信、入手に力を入れる。
エメラダ入手以前、カレルレンも独自にナノマシンを製造したが、それはエメラダを構成するナノマシンの数十倍の大きさが限度で、性能も遠く及ばなかった。
――ソラリスでの覚醒
ソラリスへ持ち去られたエメラダは、カレルレンによって覚醒させられた。
ナノマシンを分析することで、自己の技術の発展を目論み、また能力を実施検分するため、精神操作を施して戦闘能力やエーテル感応値、ギア搭乗時の適応能力など様々な実験分析を行った。
この時、戦闘時における武器としての身体変化、攻撃的エーテル能力の使用方法などを植え付けられ、訓練されており、精神操作から解放された後も無意識にこれらの能力を使用している。
服装は、ソラリスで支給された標準服が気に入らなくて破ったもの。
――エメラダの記憶
脳細胞や神経組織が形成後、リアクター内で見聞きした光景、言葉などを記憶し始める。
しかし、凍結後、4000年の眠りの中で、記憶した情報は徐々に断片化し、曖昧に。
覚醒直後はその記憶を“夢”として捉え、4000年の空白を認識できないまま、フェイをキムとして知覚する。
キムの恋人であったエリィとも接触しているが、現在のエリィと出会ってもそれを思い出せなかったのは、単純にキムに比べて記憶された情報が少なかったため。
――身体の急激な成長
フェイと共にかつて自分が創り出された場所を訪れたことで、全ての記憶を取り戻す。
キムと共に、自分の誕生に希望を託したエレハイムの存在と死。
そして最後に見たキムの姿が、エメラダの意識を変化させる。
エメラダはキムとエリィとの接触から、彼等が自分に望む姿として“子供”のイメージを捉えていた。覚醒後もフェイをキムと知覚する間は、無意識の内にその幼児性に則した行動、親に依存する子供としての行動をとっていた。
しかし、キムとエリィがすでに死亡したことを認識し、エメラダの意識は自立する。
元々身体的な成長過程がプログラムされており、意識の中から幼児性が失われたことで、プログラムに従って無意識の内に急激な身体変化が引き起こされた。
それはキムヘの精神的依存から離れ、個人としての意識を確立させたことの表れ。
そしてそれは、かつて新たなヒトの未来を生み出すことを託されたエメラダの、女性としての目醒めでもあるといえる。
エレハイム(原初の時代)
接触者アベルと出会い、以後行動を共にする。
人々の思想や行動を管理統制していこうとするカインにアベルが対立。
カインは障害となるアベルの殺害を計画。
アベルを守護するためにカインを説得する(エレハイムはカインにとっても「母」としての存在)が、カインはこれを振り切って計画を実行し、エレハイムはアベルを庇ったことで、命を落とす。
劇中、フェイの夢に出てくる少女がこの原初のエリィ。
エレハイム(ゼボイム時代)
首都ゼボイムの大学病院(連邦医務局)の看護婦。同病院の医師キムの恋人。
キムの構築したナノテクノロジーを、軍部は戦争に利用しようと企て、研究所を包囲。
エリィはキムを中央隔離室に逃がすため、身を挺して軍部の突入を阻止。
研究所のハザード・セーフティ・システムである高出力X線照射装置を起動、死亡する。
エレハイム・ヴァン・ホーテン
ソラリスにて第1級市民として生まれ、ごく普通の家庭で育つ。
13歳でユーゲントに入学するまで、ソラリス人として当たり前の教育を受けてきた。
幼少の頃より、感情を抑圧してしまう傾向の強い性格だったが、17歳時に起きた傷害事件以降、よりその傾向が強まり、エレメンツ入隊も辞退している。
ユーゲントを卒業後ゲブラーに入隊し、火軍突入三課に配属。少尉となる。
――コンプレックス
両親は典型的ソラリス人種だが、エリィの容姿は地上人に近い。
幼少期からこの容姿の違いに気付き、出生に対する疑いを生じさせる。
当時家にいた乳母の存在も影響。地上人であり、第3級市民層で子供を亡くし、父に雇われた。容姿の相似や父が乳母を表に出したがらないこと等から、本当の母親は乳母ではないかと思い始める。
エリィが父エーリッヒ、母メディーナの実子であることは間違いない。
容姿の違いは接触者の「対存在」として転生したことによる。
フェイと同じく、原初からの転生の記憶を有するが、それを知覚することは少ない。
――「ドライブ」による事故
17歳の時、同期生を障害(重傷者2名、再生処理3名)するという事件があった。
表面上は「ドライブ」の過剰摂取により、抑制を失った上での凶行となっている。
しかし、これは対存在としての力が、薬品の助けを借りて一時的に解放された結果。
ユーゲント内では、この薬品の配合を変え、麻薬として摂取していた者もいたが、エリィはノーマルな「ドライブ」の摂取をも拒否する傾向にあった。
この事件の時も強硬に拒否したが、強引に投与された結果としての暴走だった。
――対存在としてのエレハイム
接触者が、名前も立場も全く違う人物として転生を繰り返しているのに対し、エレハイムは常に「エレハイム」という名で接触者の恋人として存在している。
Elehayymを裏返すとMyyah eleとなり、「ミァン、ここに存在せり」の意味を持つ。
つまり、ミァン因子覚醒以前の状態がElehayymであり、故に覚醒したエリィは「私はミァン」と名乗った。
ミァン因子は全ての女性が内包しているため、覚醒前の全ての女性はElehayymであるといえるが、対存在…ペルソナの主体としての非覚醒状態の「最後のミァン」のみが、エレハイムという名を受ける。
オリジナル・エレハイム
波動存在にアベルが接触したことで、波動存在は人の特性(母性)を持った。
四次元世界において実体を持たぬ波動存在は、定義づけられた特性をカドモニの中で具現化。その主素子であるペルソナに、アベル少年から受けた母のイメージを投影。
ゾハルのシールドケース(眼球状部分)に見える女性。これがペルソナ…原初のヒト<母>。
少年の回帰願望がもたらした母としての特性は、その後のエレハイムに色濃く受け継がれる。特に自己犠牲の傾向が強く、「我が子」に等しい接触者を常にその命をかけて守り続ける。
移民船墜落後、分化のため覚醒。自己の複製エレハイムと補体ミァンとに分かれ、アニムス原体を生む。
オリジナル・ミァン
カドモニの中で形成されたエレハイム(中枢素子ペルソナ)は、エルドリッジの墜落によって、自己修復プログラムを統括する「システム・ハッワー(system Hawwa)」を起動。
エクソン置換が行われ、ミァンとして覚醒。これがオリジナルのミァン・ハッワー。
オリジナル・ミァンは、生体素子維持プラントからアニムス原体を創り出すことで、ヒトの「母」となる。そしてこれを管理するために、自己の複製2体…エレハイムとミァンを分化する。
ペルソナの特性(母性)ををダイレクトに具現化したものがエレハイムで、ペルソナそのもの(主体)。ペルソナが敢えてエレハイムを分化したのは、接触者アベルに対する「母」の役割を果たすため。
また、ヒトの「母」としての特質から、その成長を見守り、時に導いていく。
しかしその成長とは、ヒトが自我を持たない幼性の段階から、自我に目覚め自分達の世界を築くことで、それはデウス復活に必要なパーツとしてのヒトの完成には至らない。
そのためヒトの進化を管理・誘導し、完成されたパーツを創り出すことを目的とした、もう1人の「母」が必要となり、これがデウスシステムの兵器としての特性を備えたミァン。
ミァンはペルソナの「デウス統御モード」として、自己修復プログラムを統制・推進する。
ヒトを完成体へと(いわば強制的に)導くための道具。
ペルソナの一部ではあるが、あくまでもエレハイムを補う存在(補体)でしかない。
カーラン・ベッカー
第2級市民層に暮らす少年。
15歳の時、ラムサスに殺害され、その肉体を奪われた。
カーラン・ラムサス
守護天使の1人であり、ゲブラーの実質的最高司令官。
謹厳で完全主義者でありながら、ソラリス特有の人種的優越性に囚われず、個々の能力を重んじ、有能な者はたとえ卑賎の身であっても、自らの配下に置くことを厭わない。
そのため、エレメンツを始め、直属の部下には厚く信頼されている。
司令官としても非常に有能で、個人レベルの戦闘能力も卓越している。
ただユーゲント時代から人間不信の傾向が強く、ジェシー達の離反で、より激しくなる。
第五世代M計画初期に立案されたホムンクルス(人工同調者創造)計画によって生み出された人工生命体。その実態は、カレルレンによって天帝カイン排除の目的のために創られた、天帝のコピー。
識別コードを「0808191ラメセス」という。全てのアニマの器との完全な同調が可能。
ミァンに覚醒したカレンによって第一次成長期の段階(人型を成す前)で廃棄物処理場へ捨てられるが、偶然処理場へ迷い込んだ少年、カーラン・ベッカーを殺害、融合する。
その後、ベッカー少年のIDを利用し、ユーゲントへ入学。
ラムサスの外見は、天帝カインとベッカー少年の2人の影響を受けている。
――天帝カインを殺す者
天帝カインのヒトに対する絶対的行使力は、法院やカレルレンにも及ぶ。
そのため、カインを排除しようにも通常手段では手を下せない。
カレルレンはカインと同等の力を持つ者「相殺存在」として、ラメセスを生成。
しかし、初期段階で遺棄された時点で、自らを接触者に変わる人工同調者として創造されたものと思い込む。故に、自分が破棄される理由となったフェイに対して激しい嫉妬と憎悪を燃やすが、それは全てカレルレンとミァンの巧みな感情操作によるものだった。
――ミァンとの関係
後にミァンに覚醒する少女とは、カレン毀損の約1ヶ月前に出会っている。
覚醒までの僅か1ヶ月あまりの間に、名も知らぬ少女との間で交わされたものは何であったか…。覚醒後もミァンは彼の恋人として、現在までその関係は続いている。
コピー故に元々精神状態が不安定なラムサスは、恋人として心を許していたミァンの誘導によって、徐々にその精神を崩壊させていき、度重なるフェイへの敗北が極限状態へと追い込み、力を求めるあまり、ついに天帝カイン殺害へと至った。
――エルルの悪魔
フェイに対する嫉妬と憎悪を決定付けたのが、エルル大粛清時のイドによる恐怖体験。
造反分子を粛清するためにエルルへと向かったラムサスは、当時12歳であったイドにより、重症を負わされる。その恐怖は悪夢となって以後のラムサスを苦しめる。
再遭遇したイドにプライドを賭けて決戦を挑むが、完全に敗北。
以降、自己の存在の無意味を打ち消すため、イド(フェイ)を倒すことのみに執着。
ガスパール
シェバト三賢者の1人で、武術の達人。
560歳の時にユイの父をもうけており、現在は隠遁している。
第3次シェバト侵攻作戦では、敵の総司令官だったヒュウガと鉾を交えたが、その後、ヒュウガとユイが結婚したことでヒュウガに武術を指南する。
ガゼル法院
原初の刻に生成されたアニムス原体。ソラリス統治機関の中枢を構成する12人の元老院。
500年前の大戦時に4人が死亡。さらに“崩壊の日”において全員が死亡する。
その後、カレルレンの手でコンピュータの記憶データとして復活。
デウスを復活させ、支配領域を他の惑星にまで広げようという野望を持つ。
自己の“肉体”を手に入れるため、アニマの器に同調する者を捜す。
現在残る8人は、エノク、イラド、メフヤエル、メトシャエル、レメク、ヤバル、ユバル、トバルカイン。
カレルレン
ソラリスの実質的指導者であり、天帝カインやガゼル法院をも掌握している。
ナノテクノロジーを究め、これによる延命措置で、500年前から生き続けている。
デウスの正体と、それにまつわる人物(法院やミァン、接触者、対存在など)の関係を全て把握しており、ゾハルに降臨した波動存在の意志をも察知している。
500年前の悲劇によって“神を創造し、神の下へ至る”という願望を持ち、この世界の神が波動存在であることを知ったことで、デウス復活を遂行するソラリスへ昇った。
ミァンと接触して互いの目的が同一のものであると認識。
ミァンの指示もあり、天帝カインの延命措置やガゼル法院のデータ化などを行う。
法院を掌握すると、科学力を駆使してM計画を推進。
シェバトや地上人にリミッター措置などを実施。
自らのデウス復活計画を「プロジェクト・ノア」と名付け、最終的にそれは成就される。
神の世界への到達を目指す彼の心には、常にソフィアへの想いがあった。
――500年前
私生児として生まれるも、同年に母エルアザルが死亡し、天涯孤独の身となる。
長じてニサン教の後ろ楯であるニムロド帝国の傭兵団に所属。
数々の武勲を挙げ、団長の座に就く。その冷酷非情さは、団員達を畏怖させていた。
ニムロド国王クセル大帝により計画された、ペヌエル派暗殺の実行部隊指揮官に任じられるが、修道院襲撃時にソフィアと出会い、彼女を連れて逃亡。
7年後にソフィアと共にニサンへ。新設された僧兵隊の隊長となり、ソフィア警護の任に就く。
ソフィアに対して強い恋心を抱いていたが、ソフィア自身の心想いがラカンに向けられていることに気付き、一歩引いた立場をとるが、ソフィアの想いから逃避するラカンに憤りを感じていた。
シェバトの裏切りによってソフィアは死亡し、“神(信仰)”とヒトに失望。
ソフィアの「信仰は内に芽生えさせるもの」という教えを、「神がいないのならば、自らの手で創り出す」という信念に変える。
――“神の地へ”
その肉体はアニムス原体の末裔で、500年前には単なる「ヒト」の1人として生まれた。
ナノテクノロジーを究め、「神の存在と意思」を知る唯一のヒトではあっても、例えばフェイやエリィのように、原初より続く特殊な“運命”に縛られていたわけではない。
デウス(エリィ)と融合し、波動存在と共に高次元の波動の場へと到達したのは、全て彼自身の力によって成し遂げられたこと。
それはソフィアの説いた“愛”を、彼自身の解釈で実践しようという思い、そしてソフィアへの頑なな愛が、彼に強固な意志をもたらしたが故。
神の地へ旅立つ時、彼は「お前達が羨ましいよ…」という言葉を残す。
2人に自分の求めた本来の“愛”を見たカレルレンの、ヒトとしての真意だった。
カレン
フェイの母。元ニサン正教アクヴィ管区に所属していた。
他教弾圧を目論んだ「教会」の一部勢力によって引き起こされたある事件(詳細不明)によって、当時シェバトの武官であったカーンと出会う。
その後シェバトでフェイを生み、カーンに従って地上へ降りた。
14年前(フェイ4歳)にミァン因子が覚醒。
力の暴走によりフェイが危険にさらされたその瞬間、本来の意識を取り戻し、フェイを庇って命を落とす。
艦長
祖父の代からタムズ艦長を務めるセイウチ。
若い頃は一時海賊をやっていたことがあり、片足の傷はその名残。
キム
16歳で連邦大学医学部に入学し、3年後理学部生化学課に編入。
分子機械の研究を始める。その後、院で修士号を取得。
「分子機械による遺伝子再構築の方法」を発表し、擬似生命体の創造を提唱。
しかしこれを神への冒涜、異端と見なされ、追放。医学部へ戻り、再び医師を志す。
2年後、連邦医務局医師となり、同病院の看護婦であるエレハイムと出会う。
医師として働く傍ら、ミァンから資金や施設の提供を受け、分子機械学の研究を再開。
3年後の感謝祭の日に、ナノマシン群体「エメラダ」を形成する。
ミァンの正体に気付き、“独自の戦い”を決意するが、その直後、軍部の介入で恋人エレハイムが死亡。エメラダを凍結し、施設ごと永久封印した後、行方不明となる。
名称はナノマシン提唱者、K・エリック・ドレクスラーのK=キムより。
グラーフ
ゾハルとの接触により分裂したラカンの人格で、世界を崩壊させた強大な力の持ち主。
肉体喪失後、残留思念となり、他人の意識に憑依することで、自己の意識を持続。
グラーフは元々、接触者としての力の発露が創り上げた人格。
自分が接触者の片割れでしかないと悟り、カーンに憑依して現代の接触者であるフェイとの融合を求めた。
さらに完全なる力を得るべく、ゾハルとの結合を目論む。
力の求道者として、常に力を求める姿勢は、無力故にソフィアを失ったラカンの意思といえる。
クラウディア
マリアの母。
ニコラが頑なに研究を拒絶したため、人質としてソラリスに拉致される。
自分達がいる為に、今後もニコラが非道の研究を繰り返すことを憂苦する。
研究がほぼ最終段階にあることを知ったクラウディアは、その試作機を奪ってマリアを脱出させることが出来ないかと、ニコラに持ちかける。
だが、マリアの為に試作機を起動させるには、神経回路に結合される脳が、操縦者としてのマリアの脳波と同調出来るものでなくてはならなかった。
クラウディアは自分の脳を使うことを強く望み、ニコラは苦渋しながらもこれを決意。
密かに試作機ゼプツェンに結合させ、わざと事故を起こし、それによる死亡を装った。
その後、ゼプツェンは完成し、基幹プログラムにM計画の実態を巧妙に隠し、マリアを連れて脱出。密かに祖父に連絡をとり、脱出後のマリアの守護を依頼。
クラウディアは母としてマリアを守りたいがために、ゼプツェンとの結合を望んだ。
マリアは、母が事故死したと思い続けている。
しかし、時にゼプツェンの中に、父ニコラとは別の、母の意志を感じ取ることがあるのかもしれない。
ケルビナ
エレメンツの1人、水の能力の使い手。
常に冷静沈着で、参謀的な役割を果たす。
高すぎるエーテル能力を抑制するため、あえて目を閉じている。
ユーゲント時代は、エリィと同室だった。
ジェシー・B・ブラック
本名ジェサイア・ブランシュ。
ビリーの父。両頬に酷い火傷痕を持つ。
身体中に隠しホルスター(計10挺以上)があり、その射撃の腕は神業的。
1年前にビリーの元へ戻ってからは、詐欺的な調子の良さでトラブルに巻き込む。
出身はソラリスで、ごく普通の夫婦の元に生まれる。
ユーゲントに入学し非常な好成績を修め、ゲブラーの次期総司令官と噂された。
しかし反骨精神に満ち、立場が中枢部に近づくにつれ、ソラリスに対する様々な疑念を持ち始める。
ユーゲント在籍中に、同期生ラケルとの間にビリーが生まれ、結婚。
その後、独自の調査でM計画の真相に迫ったため中枢部に睨まれ、家族を連れてソラリスを離脱した。
ビリー達にとっては突然の出来事だった失踪は、妻との綿密な打ち合わせの上。
第3次シェバト侵攻作戦で、ガスパール率いる地上のゲリラ部隊に荷担。
ゲブラー基地からバントラインを奪取し撃退するが、シェバトとの接触はならなかった。
翌年、ソラリスの追撃が家族の身に及ぶことを憂慮し、失踪を計画。
子供達が尋問を受けることのないよう、突然の失踪という形で姿を消した。
以降、シェバトとの接触を求めて各地を放浪する。
シグルド・ハーコート
バルトの腹心の部下であり、ユグドラシル副艦長を務める。
平時は控えめで穏やかな性格だが、メイソンと共にバルトを厳しく叱れる数少ない人物。
11歳の頃、アヴェ宮中に入り、王太子(バルト)付きの近衛士官となる。
一時ソラリスに拉致され被験体として虐待を受けるが、ラムサスによってエレメンツに抜擢。
その後、アヴェのクーデターを知りソラリスを脱出。バルトの救出に向かった。
故郷はアヴェ辺境の異教徒コロニー「ノルン」。
父エドバルトIV世と母の葬儀で出会うが、母の遺志を尊重し、ついに実子だと公表することはなかった。
王位への執着が皆無なため、異母弟バルトに対しても愛情以外の感情は芽生えなかった。
褐色の肌はノルン特有のもので、銀髪と瞳は父エドバルトIV世から受け継いだもの。
右眼にアイパッチをしているのは、バルトのジェネレーターの事故で左眼を負傷した時、助けるために機関室へ飛び込み、同じように右眼を負傷したためとされているが、実は事故による負傷ではなく、バルトが負傷した際に右眼の角膜を提供したため。
その事実をバルトに覚られないために、わざと白濁した色の義眼を入れている。
シグルドの身体には、4ヶ所のピアス穴(両乳頭、ヘソ、局部)が空けられている。
これは度重なる脱走を試みたことで、見せしめとして家畜用の鑑識タグを打ち込まれた跡。
精悍な外見に似合わず、低血糖体質で恐ろしく甘党。
また、薬物投与のためか、アルコールに極端に弱い。
シスター・アグネス
シスターを統轄する女性。マルーの教育係。
シタン・ウヅキ
本名ヒュウガ・リクドウ。
ラハン村の外れの山頂に家族と共に住む医師。温厚な性格の上、腕も確か。
さらに、様々な機械を扱い、村人から「シタン先生」と呼ばれ、親しまれている。
3年前、フェイがリー村長宅に担ぎ込まれた時と前後して村に現れ、治療に当った。
そのためフェイも慕い、よく家を訪れては食事をしたり、ミドリと遊んだりしていた。
その正体はソラリス守護天使の一員であり、天帝カインの密命を受けて接触者フェイを監視する人物。
幼少の頃から天才的な才能を発揮し、第3級市民層出身ながら、ラムサスの執り成しによりユーゲント入学。エレメンツ構成員となり、ユーゲント卒業後、守護天使に就任。
第3次シェバト侵攻作戦指揮の際、現在の妻であるユイ・ガスパールを見初めた。
地上に降りた後は、フェイを監視しながら、導き、守護する役割を果たす。
――監視者としてのシタン
密命は、接触者の「力」が、アーネンエルベとして相応しいかを見極めること。
それに加え、ヒトそのものの成長、管理者のいない状態で「福音の刻」を迎えた後も、ヒトとして生を享受出来るのか。神の復活が成された後に、自由意志による未来を獲得できるのか。といったことを判断するための調査も含まれていた。
――ソラリス時代
13歳の時、第3級市民層が疫病に冒され、両親と8人の兄、剣術を指南してくれた祖父など家族全員が死亡。
当時から天才的な知能を発揮していたため、彼が毒物実験を行ったのではないかと疑われ、迫害されるが、この事件によりその存在がユーゲントのラムサスの目に留まり、エレメンツへ加入することとなる。
この時、シグルドと同室になり、先輩ジェサイアとの交友を深めていく。
――数々の兵器を設計
守護天使に選出されたのは、幼少の頃に身に付けた剣術と、兵器設計技師としての卓越した才能、策士としての手腕を評価されたためで、特に設計技師としての能力は群を抜いており、地上に降りるまでに彼が設計した兵器は数知れない。
ラムサス機ワイバーン、ヴィエルジェ搭載のエアッドシステム、アハツェンに搭載された可変フレーム、バントライン、アルカンシェル、エレメンツ専用機(4機)と、枚挙にいとまがない。
――第3次シェバト侵攻作戦
策士としての才能が高く評価されていたことを物語るのが、第3次シェバト侵攻作戦。
ソラリスによるシェバト侵攻作戦は、ソラリス戦役以降、間を空けず2度行われており、第2次以来およそ300年の小康期間を経て再開されたもの。
弱冠21歳で守護天使に就任したヒュウガは、3年後にこの作戦の総指揮を任された。
この作戦でシェバト三賢者の1人である武人ガスパールと対峙。
剣術を駆使して渡り合うが、勝敗は決し得なかった。
この時、ガスパールの孫娘であるユイとも出会い、彼女に強い恋愛の感情を抱く。
三賢者の働きとシェバト軍の必死の抵抗により、両軍の疲弊が激しくなったところで即座に撤退を指令。シェバトは陥落こそ免れたものの、その戦力は既に壊滅状態となっていた。
撤退命令は、戦局から判断した戦術的撤退だったが、ユイに対する感情も影響していたのかもしれない。
――剣術の封印
7歳の頃に祖父キッカによって剣術を伝授され、「白檀」と「黒檀」の二振りの真剣を授けられた。学問だけでなく、戦術にも非凡な才能を発揮し、特にその剣術はソラリスでは類を見ないものだった。
侵攻作戦から帰還後、その立場を利用して、度々密かにシェバトを訪れた。
ユイとの逢瀬を重ねながら、彼女の祖父であるガスパールとも議論を交わす。
その中で彼の武人としての意気に触れ、感銘を受け、殺人を目的とした自己の剣術を封印することを決意。「白檀」と「黒檀」をユイに預け、ガスパールを師と仰いで素手による格闘術の鍛錬と精神修行を始めた。
その後、フェイを監視しながら幾多の戦闘を繰り返していく中でも、封印を解くことは無かったが、フェイ達がソラリスへと辿り着いた時、イドと対決する場合に備え、意を決して剣の封印を解いた。
シャーカーン
宰相として先代に仕えていたが、クーデターを起こして政権を奪い、王家一族を抹殺。
元は「教会」イグニス教区の大司教で、私欲からその地位を利用し国政に食い込み、宰相となった。その後ろ楯がゲブラーであり、ゲブラーや「教会」に非協力的だったエドバルトIV世には疎まれていた。
ゲブラーはその排除を画策し、「教会」によってクーデターという形で実行される。
権力欲に取り付かれたシャーカーンは、ゲブラーの協力を仰いで軍事力を大幅に増強。
長く小康状態にあったキスレブとの紛争を再燃させる。
また、「ファティマの至宝」入手を目論み、時限ロックの解けたマルーを誘き寄せ、再度幽閉した。
シャリーマ
シグルドの母。
アヴェ辺境の異教徒コロニー「ノルン」、その首長ミミルの妹。
アヴェとノルンは昔から友好関係にあり、国王エドバルトIV世とは旧知の間柄。
やがてシグルドを身篭るが、ATL白血病(母乳経路で感染する血液性の癌)を発病。
自分亡き後のエドバルトIV世を案じ、その関係を一方的に破棄。
エドバルトIV世は傷心のままブレイダブリクに戻り、数年後マリエルと結婚する。
シャリーマはシグルドを産んで11年の後に死亡。
処刑人
ソラリス守護天使の1人。
計り知れない戦闘能力を持ち、全てのソラリス人から畏怖されている。
正体はミァン0998であるが、この事実を知るのはカレルレンとガゼル法院のみ。
キスレブ総統府に赴き、謎のコンテナをジークムントに渡している。
補体であり“兵器”として存在する、1個体の“兵器”としての在り方が伺える。
ジョシュア・ブラック
シェバト工作員。
地上での活動中、シェバトとの接触を求めるジェサイアと出会い、意気投合。
ジェサイアの真意を知り、シェバトへ導こうとするが、ソラリスの追手によって死亡。
その際、ジェサイアに自分の容姿や指紋を使って身分を偽るように勧めた。
ストーン
本名スタイン。「教会」の司教で、表向きは優しい神父。
ユーゲントでジェシーと同期であり、ラケルに想いを寄せていた。
しかし、ジェシーと結婚したことで逆恨みし、死霊を使って殺害。
ストラッキィ
ノリは軽いが、冷酷非情で仲間内でも危険人物扱いされている。射撃の腕は一級品。
ゼファー女王
シェバトの女王。
500年前のソラリス戦役の生き残り。延命措置により現代まで生き続ける(実年齢は522歳)。
一族の者は500年前に滅び、以後、結婚も出産もしていないため、縁者子孫はいない。
世界の実情を知る数少ない人物の1人で、現在はワイズマンに命じてフェイの動向を探らせている。
シェバトの第三皇女で、大戦中、難民が流入し、影響力を増していくニサンに大使として向かう。その後ニサンに逗留し、教母ソフィアと共に地上勢力の象徴的な人物として扱われた。
ニサンの主力部隊壊滅時、これに同行していたゼファーは、生き延びたラカンらと共に急遽帰国。長老連を更迭し、ロニや三賢者の擁立を受け、女王として即位した。
カレルレンが長老会議に対して延命措置を行った時、自ら望んで措置を受けている。
大戦時、ゼファーは地上に逗留しており、長老会議がソラリスと密議していることを知らなかったが、シェバト王家の1人として謀略を止められなかったことに責任を感じ、その罪を償うため、カレルレンによる“制裁”を甘んじて受けた。
セラフィータ
エレメンツの1人、火の能力の使い手。
亜人種であり、ソイレント施設で廃棄処分とされる寸前で、ラムサスに救われる。
4人中、加入時期が最も早く、そのためリーダーを任されている。
総統ジークムント
現キスレブ総統。
キスレブ軍の一兵卒で、類稀な戦闘能力と状況判断、指揮能力を発揮し、驚異的な早さで昇進を重ねる。
30代の若さで総統まで昇り詰めt、軍を掌握しt、大幅な体制改革を敢行。
政権を軍に移行、キスレブを統治していた「委員会」を放逐して全権を握った。
エルル出身で、短期間での昇進は種族としての身体、エーテル能力に優れていた結果。
武骨ではあるが真剣に世界の行く末を案じており、侵略されようとしているニサンを積極的に防衛している。
ソフィア
ニサン教アシェラ修道会会士の次女として生まれる。
幼少の頃、病気療養中にラカンと出会う。
7歳の頃、類稀な才能(エーテル能力)を見込まれ、将来の教母候補としてペヌエル枢機卿(教母の選出、補佐を行う枢機会の筆頭会士)の養女となる。
13歳の時に教母候補として擁立され、ソフィアと改名。
しかし、派閥の権力争いで、ソフィア擁立派の大半が死亡し、自身も行方不明となる。
7年後、現ニサンの地に帰還、ニサン正教と改名した新教団の教母となり、13年ぶりにラカンと再会。
ソラリス戦役が勃発すると、ニサンに難民が流入。
ソフィアは率先して救済にあたり、“聖母”として敬愛される。
その後、ニサンが参戦したことで、ソフィアは意に反して地上軍の象徴的な立場に。
戦乱の中でラカンと愛し合うようになるが、シェバトの陰謀で地上軍はソラリス軍の重囲に陥り、ソフィアは空中戦艦エクスカリバーで敵の主力メルカバーに特攻。現キスレブの上空に散った。
それは、ニサン教母として人々を戦乱から救いたいという思いと、1人の女性として愛する人…ラカンに「生きて」ほしいと願う思いの果てだった。
――カレルレンとの出会い
教会内の派閥抗争は、互いの教母候補とそれを擁立する枢機会士派の人物を暗殺し合うという血生臭いもので、ペヌエル枢機卿派も例外ではなかった。
抗争の渦中で、次第に「自分さえいなければ」という思いを強くし、死を望むように。
修道院襲撃の際、自分を殺しにきたカレルレンに対し、「…ありがとう」という言葉と共に微笑んだ。カレルレンは彼女の無垢な笑顔に魅せられ、彼女を守って姿を消す。
その後、ニサンに帰還するまでの7年間を、2人がどう過ごしたのかは定かではない。
ダン
アルルの弟。フェイに懐いていたが、ラハン村壊滅後、フェイを憎んで1人後を追う。
アヴェの大武会でフェイと再会。後に雪原アジトにて和解する。
チュチュ
原生生物であるウーキィー族の少女。
食べ物を与えてくれる人、可愛がってくれる人が好き。
また、非常に惚れっぽい性格で、素敵な男の子にはめっぽう弱い。
種族中一番の美少女を自負。
隠れて狩猟生活を送ることに不満を覚え、一族の村を抜け出す。
素敵な男の子とのロマンスを求めて、ヒトの住む街へ向かう。
かつて一族の者がソラリスの被験体として虐殺されたことを聞いていたため、深夜を選んで行動。ブレイダブリク近辺まで来た時、建国記念祭に向かう香具師を見つけ、ヌイグルミとして荷物に紛れ込んだ。
ウーキィー族の起源は原住生物だが、高度な知能を有するのはゼボイム文明期以降。
核戦争で破壊された遺伝子施設から、生き残った実験動物が逃走。
ヒト亜種の母体となる生物が誕生する。
その根源には原住生物の突然変異体も含まれており、ウーキィー族はその進化形態。
当時はかなり巨大だったが、ソラリスのリミッター措置によって小型化され、定着。
ティモシー
アルルの婚約者であり、フェイの親友。
ラハン村襲撃時、キスレブギアの凶弾に斃れる。
天帝カイン
ソラリスの最高統治者。
ガゼル法院の長で、カドモニから生まれた原初のヒト13人中、唯一現代まで生存。
頭蓋骨状の外見は仮面であり、劇中では最後までその仮面が外されることは無かった。
仮面の下の素顔は、ラムサス似の美形と思われる(ラムサスは融合体で、厳密には同じ容姿ではない)。
「福音の却」によるヒトの滅亡の可能性を憂い、ヒトの救済を願うが、その杞憂は法院によって歪められ、民意統制の手段に利用されている。
接触者の力を見極めるために、シタンにフェイを監視させた。
名称は旧約聖書に登場するアダムとイヴの長子カインより。
――原初時代の“教祖”
12人の「原初のヒト」を統括し、ヒトを管理統制していく。
やがて、ヒトの間にカインを現人神(人となって現れた神)とする信仰が広がる。
これを利用し、教祖的な立場をとってヒトの上に君臨し、ミァンもこれを後押し。
カインが実際にどういった教理を説き、ヒトを管理したかは定かではないが、恐らくはミァンと共に捏造された創世の伝承、現代に伝わる「神の伝説」の原形となったもの。
カインがヒトの意識を操作し始めると、徐々にアベルとの思想的な対立が表面化。
個々の感情までをも統制しようとするカインに対し、アベルはヒトの自由意志による成長を望んだ。
エレハイムは懸命にカインを諌めるが、これを振り切ってアベル抹殺計画を実行。
結果、エレハイムを殺害した罪の意識が、ヒトの運命を変えることを願うようになる大きな要因となる。
――不死の肉体
アニムス原体の長、ヒトに対して絶対的行使力を持つカインは、神の復活の刻まで生き続けるように運命づけられ、老化による衰弱も、何者かに害されることもない。
その不死の肉体とヒトの救済を求める思いが、カレルレンとガゼル法院にとって障害となったため、カレルレンによってラムサスが創り出され、そのラムサスの手によって殺害された。
カインは構築人種として変容する運命にあるヒトの肉体を変革するため、不死である自らの肉体を被験体として提供し、研究に努めた。
そのため、その容姿はかなり変容し、肉体の疲弊も限界に近づいている。
――統治者としての天帝
法院を消し去る力を持ち、カレルレンでも、ヒト故にその命を奪うことは出来ない。
本来ならば何者にも束縛されず、自らの意思で政治を執り行うことのできる立場にあったが、力の衰退を余儀なくされ、延命措置によって生き在える状態では、政治という手段によって自己の理念を遂行することは不可能と判断した。
――シタンへの密命
フェイの接触者としての能力を見極めるため、シタンをフェイに接近させ、監視。
シタンは度々フェイの状態を報告、ヒトに救済をもたらすことが出来ると結論付ける。
カインもその結論から、全てを接触者に託すことを決意する。
トーラ・メルキオール
シェバト三賢者の1人で、ナノテクノロジーを復活させた科学者。
ゼボイム遺跡からキムの残した論文の一部を発見、独自の研究を重ねてその技術を復活。
ニサン僧兵長であったカレルレンに学問を教える中で、これを伝授した。
現在は地上で隠遁生活を送りながら、ヒトの身体に隠された秘密を追求している。
ドミニア
エレメンツの1人、地の能力の使い手。亡国エルル唯一の生存者。
卓抜した能力を持ちながらそれを行使しようとしないエリィに、憧憬、嫉妬、羨望、苛立ちなど、複雑な感情を抱いている。
幼い頃にエルル大粛清にあい、この時ラムサスと出会っている。
ラムサスを慕う気持ちが最も強い。
トロネ
エレメンツの1人、風の能力の使い手。
全身の90%がサイボーグ化されており、体の各所に様々な武器を内蔵している。
その理由や目的などは不明。
セラフィータとは常に作戦行動を共にしており、ツッコミ役となっている。
ニコラ・バルタザール
マリアの父。脳神経機械学、ギア工学の権威。
ソラリスに家族を拉致され、やむなくゼプツェン、アハツェンを製作。
マリア脱出後、アハツェンの神経回路に結合された。
ハマー
キスレブ首都D区画に収容されている亜人。
小心者でお調子者だが、情報収集能力やメカニックの腕はかなり高い。
顧客の大半はバトラーなどであり、リコに取り入って、ちょこまかと世話をしている。
舌先三寸だけで世の中を渡ってきたが、それだけに「力」に対する憧憬は人一倍高い。
リコの洗礼に耐え、B管理委員会から指名されたフェイを「アニキ」と慕い、行動を共にする。
バルトロメイ・ファティマ
砂漠地域に出没する潜砂海賊の頭領だが、実はアヴェを統治していたファティマ王朝の正当な後継者。
12年前に勃発した宰相シャーカーンによるクーデターで、ファティマ王朝は崩壊。
当時6歳で従姉妹のマルー(当時4歳)と共に監禁されるが、王朝の残党により救出。
その後、脱出時に奪取した潜砂艦ユグドラシルの艦長として、海賊行為を始める。
良く言えば天真爛漫で実直、悪く言えば無責任で無鉄砲。
面倒なことは大嫌いだが、困っている人を助けずにはいられない、侠気溢れる好青年。
何かあるとすぐに対艦ミサイルを撃ちたがるのが悩みの種だが、臣下ともいえる乗組員達には「若」と呼ばれ親しまれている。
幽閉時、アヴェ近辺民族がニサンに強い敬意を持っている為、マルーの扱いは比較的緩やかだったが、バルトの処遇は相当に非人道的なものだった。
バルトは、自身が激しい拷問を受けながらも、マルーを庇い、さらに激しく鞭で打たれ続け、今も背にはっきりと裂傷の痕が残っている。
――左眼の負傷
左眼のアイパッチは、2年前に起こったスレイブジェネレーター事故で負傷したため。
交戦によるダメージで一時的に制御不能となり、暴走・炎上したそれをストップさせるため、周囲の者が止める間もなく機関室に突入した。
負傷した左眼は弱っているものの、リハビリ次第で視力を取り戻すことが出来る。
遠近感を掴み難い状態にありながら、鞭を得意とするバルトの戦闘能力は些かも衰えておらず、あまり気にせず、アイパッチも“海賊っぽいファッション”として気に入っている。
――鞭の修練
鞭打ちによる激しい尋問を受け、救出後も悪夢にうなされることが多々あり、見かねたメイソンとシグルドは、逆療法として鞭の扱いを訓練させる。
故国の伝統的な武具のため、鞭の扱いに長けているシグルドが指南役となり、特訓。
恐怖の対象である鞭を意のままに操ることが出来るようになったことで、同時に鞭への恐怖が引き起こす悪夢を克服。以後も自身の得意武器として使用していく。
ユグドラシルのギア・ハンガーの壁には、今も昔日の激しい特訓の跡が残されている。
ハンス
イルカ型の亜人。海賊時代から艦長に付き従う。
タムズ副長として、艦長の代わりに全てを取り仕切っている。
バンス
イルカ型の亜人。ユグドラシルのソナー係を務める。
非常に繊細な聴覚を持っており、潜砂中でも様々な音を聞き分ける。
様々なサウンドを収集するのが趣味。
ビッグジョー
本名ジョー力石。ゼボイム文明時代の国民的英雄。
受賞作家として、格闘技の王者として、はたまたカーレーサーとして、その類稀な才能は様々な分野で華々しい活躍を見せる。
特に音楽では超売れっ子アイドルロックバンド「ラビーネ」と双璧をなす人気を誇り、数々の名曲を遺す。
また資産家でもあり、各界への影響力は相当なものであったが、その私財は慈善事業に使われることは無く、もっぱら邸宅の改造や珍しいペット、映画プロップ、軍払い下げの潜水艦購入などに費やされた。
後年(30代を前に)その興味は、自らの延命、肉体保存に向けられ、多数のクローン研究機関や、冷凍睡眠業者への援助が行われた。
――事故による凍結
ある日、コールドスリープ施設の視察に訪れたジョーは、ひょんな事からリアクター内に入り、係員のミスによってそのまま急速冷凍されてしまう。
解凍技術の確立以前の出来事だったこともあり、来るべきその日まで永久凍結される。
英雄を失った国民の悲しみは大きく、戦時中にも拘らず、その葬儀は盛大に行われた。
その後、ゼボイム文明は滅亡し、解凍されることもないまま永遠の眠りにつく。
尚、彼が冷凍睡眠処置を施された経緯は、一般には受賞会場で後頭部を痛打したことによって、昏睡状態となってしまった為であると伝えられている。
――現代での目醒め
4000年後、「教会」によって発掘が進められるゼボイム遺物の中に、ジョーの眠るリアクターがあった。だが、不幸にもそれは粗大ゴミとして海へ投棄されてしまう。
波間を漂い、やがて多島海エリアにある孤児院の海岸に漂着。
そこに住むデビー少年(8歳)達によって発見されるが、格好の遊び道具を得たものと勘違いし、少年達は誤ってリアクターの封印を解除してしまう。
冷凍状態のまま砂浜に放り出され、その眠りが永遠のものとなろうとしたその時、奇跡が起き、砂熱の自然解凍によって、ジョーは4000年振りに冷凍睡眠状態から目覚めた。
突如復活した太古の冷凍人間に驚き、散り散りに逃げ去るデビー少年達。
だが、ジョーは少年達を後目に海へとダイブ、遥かイグニス大陸まで遠泳してしまう。
その後、方々を転々としたジョーは、現在、再び芸能活動を始める為の資金稼ぎとして、ゼボイム遺跡内でショップを営んでいるが、ある意味これ以上ない程の僻地での営業。
加えて扱う商品の法外な価格設定。にも拘らず、かなりの収益をあげているらしい。
現在36歳(+4000歳)。
寿命30歳といわれたゼボイム文明人の中にあって、この異常とも思える長寿ぶりは何を意味するのか。キムの研究は無駄に終わった…のかも知れない?
――誕生の経緯
キャラデザの田中氏の落書きがあまりに素敵だったことから生まれた。
故にプロフィールも無茶苦茶で、信用しないほうがいい?
ビリー・リー・ブラック
「教会」の贖罪審問官エトーンとして「死霊」を滅ぼす少年神父。
父譲りの射撃の腕は一流で、常に2挺のリボルバー拳銃を携えている。
元はソラリス出身であり、父ジェサイアは次期ゲブラー総司令官の最有力候補だった。
地上に降りると父が失踪し、母も死霊の襲撃により死亡。
恩師ストーン司教の勧めで幼い妹を「教会」の施設に預け、修道院で修行を積む。
当時の生活は苦しく、妹を養うために自らを売ろうとまでした(3000Gは30万円相当)。
少女と見紛うばかりの容貌であるが、これにコンプレックスを感じており、常に髪を短くしている。
3年間の修行を終え、正式なエトーンに就任すると、自宅へ戻り孤児院を開いた。
仕事で訪れた各地から孤児を連れ帰って養育している。
これはビリーの個人事業であり、「教会」は直接関与していないため、運営は全てビリーの収入で賄われている。
正式なエトーンと入っても特に収入が多いわけではなく、人を雇うこともままならない。
ジェシーが戻ってきた時、風貌が全く変わっていたため、その男を父とは信じられなかったが、プリムがよく懐いたことと、決して楽ではない生活に疲れていたこともあり、父と名乗る得体のしれない男を、渋々迎え入れた。
母殺害時、「隠れて見ていることしか出来なかった」という思いに今も苦しめられている
また、妹が言葉を失った原因が、事件の夜、柱時計の陰に隠れながら、死霊に覚られまいとしてプリムに「泣かないで」と言い続けた自分にあるのではと気に病んでいる。
フランツ
メンバー中最年少。
ナルシストで、美しいものに嫉妬する傾向がある。
プリメーラ
ビリーの妹。7歳。
母の死をきっかけに言葉を失うが、表情は明るく、「良い人」には進んで懐く。
自分のために必死になって面倒を見てくれる兄を一番大切に思っているが、やはり幼いだけに、最初に取り戻した言葉は「パパ」だった。
頑なにストーンを拒絶したり、姿の変わったジェシーに懐いたりと、幼さ故の敏感な心を持っている。
ブロイアー
その巨体と怪力に見合わず、温厚な性格であるが、激昂すると見境が無くなる。
ヘルムホルツ
冷静沈着であり、状況判断能力に優れていることから、参謀的な立場にある。
マリア・バルタザール
アイザック・バルタザールの曾孫にあたり、ギア工学の天才ニコラの娘。
ニコラの残した最新鋭ギア「ゼプツェン」を駆って、シェバト防衛の任に就く。
カレルレンはニコラの技術をM計画に利用するため、マリア誕生の半年後に彼を拉致。その後、ニコラの強硬な拒絶を緩和するために、妻クラウディアとマリアを人質として拉致した。
3年後、母クラウディアが死亡。死因は不明、実験中の事故として処理された。
その4年後、ゼプツェンが完成。ニコラは隙を見てマリアをゼプツェンに乗せ、曾祖父バルタザールの手を借りてソラリスから脱出させる。
地上に降りたマリアは、バルタザールと共に2年間を過ごす。
バルタザールはこの間にマリアの心の傷を癒し、ゼプツェンの操縦方法を教え込んだ。
その後、シェバトへ。マリアの境遇を憐れみ、ゼプツェンの性能に驚嘆したゼファーは、マリアを自身の話し相手とし、シェバト防衛の切り札として逗留させた。
ゼプツェンの頭に乗って操縦するため、靴には“電磁石”が内蔵されている。
マルグレーテ・ファティマ
ニサン法皇府とその諸教会を統轄する現大教母。
教義を広め、争いをなくすことこそ自分の務めと考えているが、その母権的色合いの強い教義が、初代教母ソフィアの説いたものとはかなり異なっている事には気付いていない。
飾り気のない天真爛漫な少女で、単身敵陣のただ中にあっても、ペースを崩さず悠々と過ごせる無邪気さと度胸の持ち主。
また、バルトのためならば、自分の命を投げ出すことに何の躊躇も見せない。
マルーの自称が「ボク」であるのは、幼少の幽閉時代に受けた心の傷によるもの。
自分を庇い、拷問を受けるバルトの姿に強い自責を感じたマルーは、自分の持つ特性(幼児性、女性性)を恥と見なし、封印してしまった。
実年齢に対して容貌が幼いのも、無意識のうちに第二次性徴を遠ざけているから。
――チュチュとの出会い
偽情報に惑わされ、身分を隠して単身ブレイダブリクに潜入したおり、広場の出店で射的の景品となっているチュチュを発見。
猛烈に心惹かれたマルーは、並ならぬ執念でゲット。
しかし、シャーカーンの部下に発見された時、その重量が災いして、逃げ遅れた。
ミァン
デウス復活のために生み出された時と世界の管理者。
エレハイムとは主体と補体の関係。
実際はミァンとして覚醒した者がデウス復活へ向け、世界を操っていく。
ミァンとなる因子はほぼ全ての女性の遺伝子内に組み込まれている。
――“兵器”としてのミァン因子の覚醒
エレハイムが主体であるのに対し、ミァンは補体としての役割を担っている。
その目的はデウス復活のパーツとしてのヒトの完成。
ヒトの肉体的、文化的進化が止まった段階で、それをパーツとして相応しくないと判断した場合は、その文明を一時根絶。より高度な進化を求める。この段階で“兵器”としての能力を発揮する。
それは直接的な戦闘能力ではなく、文明を根絶へと向かわせる誘導能力と認知できる。
また、デウスの完全なる復活のために、ヒトの完成に伴って接触者と対存在を確保することも目的の1つ。
補体としてのミァン因子は、全ての女性に内在している。
現段階で覚醒しているミァンの肉体が、何らかの理由で毀損(死亡)されると、次のミァン因子が覚醒。この覚醒は因子の強さによる確率で、次に誰が覚醒するかは不明。
覚醒した女性は、これまでのミァンの記憶を受け継ぎ、元の女性の人格は封印される。
ミァン0000
原初の時代のミァン。
カインを含む原初のヒトを管理するために分化された。
接触者と対存在を確保する役目も兼ねるが、必要が無い場合はその生死すら問題にしない。
カインによるアベル殺害(結果はエレハイムが死亡)も静観している。
ミァン0661
ゼボイム文明のミァン。
複数のミァン因子が同時覚醒することはさほど珍しくないが、この時代は双子という稀なケースで覚醒した。
ヒトの知能レベルはピークに達するが、肉体的には遺伝子異常が多く、短命だった。
これを不適合種と判断し、次代に向けて放射能などによる突然変異的進化を期待し、大統領に取り入り全面核戦争勃発へと誘導する。
また、キムの研究論文に着目。種の進化に利用しようと身分を詐称して研究施設を提供。
ミァンの正体に気付いたキムは、ナノマシン群体(エメラダ)を別施設に移送。
これを奪取すべく特殊部隊を突入させるが、失敗に終わった。
その後、予定通り核戦争が勃発。シェルターに逃れた一部のヒトと地上の原住生物の一部を残し、死滅した。
ミァン0970
ソラリス戦役のミァン。
ガゼル法院を管理し、ソラリスを影で支配していた。
シェバトを中核とする地上軍による抵抗が激しさを増すと、法院は積極的にデウス復活を画策。
しかし、この時代のヒトも不適合種と判断したミァンが異を唱え、法院と反目しあう。
その存在を疎んじた法院は、シェバト長老会議と謀り、ソフィアとミァンの身柄の交換を密約。これによりミァンはシェバトに囚われ、ソフィアは特攻して死亡。
ミァンはシェバトでソフィアを失い自失するラカンと出会い、これをゾハルへと導く。
それは対存在を失った接触者の不完全な接触により、「崩壊の日」を引き起こすため。
ミァン0996
40年前のカレンが覚醒する以前のミァン。
カレルレンとともに第五世代M計画を推進。
14年前、肉体の老化による寿命により毀損(死亡)し、カレンが覚醒。
覚醒前の肉体の持ち主は不明。
ミァン0997
14年前にカレンのミァン因子が覚醒。
我が子が接触者であることに気付き、過酷な実験の末、グラーフを呼び寄せる。
また、カレルレンと接触し、ラメセスを遺棄している。
ミァン0998(ミァン・ハッワー)
ラムサスの副官として、常に行動を共にしている女性。階級は中佐。
ユーゲント時代に出会い、以降は個人レベルでも恋人として彼を支えている。
実際にはカレルレンとも密接なつながりを持ち、M計画などの推進を補佐。
また、処刑人として、守護天使の1人に名を連ねている。
ユーゲント時代から卓越した能力を発揮し、ジェサイア離脱後、一時的にエレメンツに加入。その後、ラムサスが守護天使に就任したことで、彼の補佐官に抜擢される。
常に冷静に振舞い、感情に走りがちなラムサス達をなだめ、的確な判断と指示を与える。
専用ギアを持ち、優れた戦闘力を持っているが、実践に参加することは殆ど無い。
ラムサス負傷時など緊急の場合に限り、彼女が司令官代行として一時的に指揮をとることが許されている。
ミァンもまた、原初から現代までを生きてきた特別な存在。
全ての女性が内包しているミァン因子の覚醒によって、代を重ねてきた。
原初のミァンに始まり、ゼボイムの双子、フェイの母カレン、そして現在のミァンまで、およそ1万年の間に998回の覚醒が行われている。
最後の覚醒を行うため、ラムサスの手で殺害される。
ミァン0999
ミァンへと覚醒したエリィ。
主素子ペルソナの分化体としてゾハルに帰還するのは、主体でなくてはならない。
自我が成立する過程を象徴するものを指す言葉が「大母」。
ミァンは大母として、ヒトの自我形成を阻止する。
ヒトが自らの意志で動き始めることは、ヒトを完全体へと誘導するミァンにとって、障害でしかない。故にミァンは大母となり、行きすぎた文明(自我を持ったヒト)を根絶する。
デウス復活の刻まで覚醒しなかったのは、「母」として、接触者の意識の成立を見届けるため。デウス復活時、接触者が自分は何をすべきか、自分の意思で判断、行動できるようにしておく必要があった。
逆に、ミァンにとってはデウスを破壊する者であり、自我を成長させてはならない。
デウスのピースとして欠かせない接触者だが、「神を滅ぼす者」である必要はない。
ミァンはやはり大母となり、接触者の自我を操作・誘導した。
――デウス統御モードとしてのミァン
主素子ペルソナは有事においてエクソン置換により自己の構成体を変化させ、モードシフトする。エルドリッジに分割封印されていたデウスが暴走を始めた時、このモードシフトが行われた。
これは非覚醒状態のElehayymが、覚醒してMyyahとなる現象と同じもの。
オリジナル・エレハイムがシステム・ハッワーを起動してミァンとなり、惑星上に知的生命体をもたらしたのも、このモードシフトによるもの。
以後、補体として覚醒するミァンは、全てのデウス統御モードとしての行動を取る。
この場合、統御すべきデウスは自己修復プログラムを実行中であり、ミァンはこのプログラムを速やかに推進するための管理者。
デウスが完全に復活できる状態に到達した時、補体としてのミァンの役目は終わる。
そして主体のエレハイムがミァンに覚醒し、デウスと融合することで、復活したデウスを統御していく。
ミドリ・ウヅキ
シタンの娘。5歳。
普段から無口で大人しく、特に父とあまり会話をしない。
動物好きでよくフェイと一緒に鳥にエサをあげたりしていた。
人や動物の意思を感知できるという、特殊な能力を持っている。
父であるシタンに対しても、その背後にある天帝やガゼル法院の存在、フェイに対する監視者としての役目などを感じ取り、素直に心を開くことが出来なかった。
ミロク
ギア部隊長。男気溢れる武人。16歳の娘ジーンもギア部隊に所属。
部隊員にはファルケ、フォアラント、ヴィンドなど。
メディーナ・ヴァン・ホーテン
エリィの母。軍部などには無関係。
エリィが行方不明との報告を聞き、失意と希望の中で日々を暮らす。
ユイ・ウヅキ
ガスパールの孫娘。
第3次シェバト侵攻作戦でシタンと出会い、妻となる。
物静かで優しい性格だが、武術の腕は祖父譲り(素手のシタンと互角との噂も)。
ラハン村消滅後、ミドリを連れてシェバトへ帰郷。シタンの帰りを待つ。
ラカン
辺境のある村に生まれ、6歳の時に両親と死別。幼いながらも自活していた。
8歳の頃、病気療養の為アシェラ修道院に戻っていたエレハイムと出会う。
別れの際にエレハイムを描いた1枚のスケッチを渡した。
その後故郷を離れ、旅先でソラリスの関与する政変暴動に巻き込まれる。
その中でカレルレンと出会い、その3年後、ニサン正教教母となったソフィアとアシェラ修道院で再会。
同年、ソラリス戦役が勃発。戦乱の中で隊商の頭領ロニ、レネ兄弟と出会う。
開戦から3年後、ニサン参戦。カレルレンの推薦でソフィアの肖像画に着手。
翌年、ソフィア死亡後、シェバトに囚われていたミァンを解放し、ゾハルへと向かう。
――ゾハルとの不完全な接触
ゾハルとの接触において、接触者と共に必要不可欠なもう1つの要素、エレハイムは既に死亡している。エレハイムが欠けていたことに加え、接触者として精神的に不完全だった。
その為、力が暴走。別人格者グラーフとして、世界を破壊し尽くすに至った。
――力を求めた心理
自分の恋心と、彼女の自分に対する特別な愛情を知りながら、人々から“聖母”と慕われる彼女の愛情を独占することは出来ないと、自分の心を偽り、内面の“空疎”にすり替えて彼女の愛情から逃避した。
人々に安らぎを与える彼女に対して、何の力も持ち得ないという、卑下と失望があった。
ソフィアの死という絶望が反動となり、自己の無力に対する卑下と失望を、強大な力を獲得する欲望へと変えた。その欲望を具体的に満たすために、破壊的な人格へと変貌を引き起こした。
名称は鏡像段階説提唱者、精神分析家のジャック・ラカンより。
ラケル
ビリーの母。
かつてはソラリスユーゲントの士官候補生であり、10代の頃にビリーを生んでいる。
ユーゲントではジェサイアの管理下にあったシタンやシグルドとも知り合っている。
脱ドライブ治療を専攻しており、任官後はギア同調失敗やドライブ依存症の治療部署に配属予定で、シグルドが一時ブランシュ家に身を寄せていた時、彼の薬物依存症の治療を試みている。
芸術的感性が豊かで、ボディペインティングなどを趣味にしていた。
ビリーのミドルネーム「リー」は、出産時に彼女が女の子用に考えていた「アシュレイ」の愛称。生まれたのは男の子だったが、少女的な風貌であったことから、女子名の「リー」で呼んでいた。
死霊襲撃時、2人を柱時計の陰に隠し、銃をとって対するが、抗しえず殺害される。
ランク
特殊部隊の隊長。
武人としての誇りを持ち、その誇りのために戦う。
リー村長
ラハン村の村長。3年前、ワイズマンによって連れてこられたフェイを保護する。
昔はかなりの遊び人だったらしい。
リカルド・バンデラス
キスレブ首都ノアトゥンのD区画に拘置されている亜人。
囚人による大衆娯楽「バトリング」の現役チャンピオンで、無敵の呼び声が高い。
義に厚く統率力に優れ、D区画の囚人からは「キング」と呼ばれ信頼されている。
幼少の頃、母を亡くし天涯孤独の身となった。
さらに、亜人故に周囲から迫害を受けたことで性格が荒み、少年犯罪集団を結成。
帝都を中心に犯罪活動を繰り返すが、やがて警察隊に捕まり帝都監獄に収監。
総統の観戦する御前試合で優勝した者には特赦が降り、D区画から解放される。
しかし、リコは3年連続キングとなるも、自らの意志でD区画に留まっている。
リコの父は総統ジークムントで、母アンナはその后。
プレイヤーキャラ中のサブキャラという位置付けで、いまいち存在感が無い。
――亜人としての出生と母アンナの死
后の主治医は「教会」からの派遣医師だが、実態はカレルレン麾下の遺伝子研究部門の者。
リコの生まれた時期は、ソラリスにおいて第四世代M計画の残滓である異種間配合計画と、第五世代M計画への過渡期で、主治医はその立場を利用しアンナに様々な薬品投与や実験を行った。
当時、「教会」派勢力によって、亜人排斥政策が広められていた。
ジークムントはリコ出生時に対アヴェ戦線の視察に出ており、その間に2人は総統府を追われた。ジークムントには母子共に死亡と伝えられ、我が子が亜人であることを知ることはなかった。
母子は首都から離れた街に移ったが、政策は全土に及び、逃れることは出来なかった。
リコが長ずるにつれて、迫害はより直接的なものとなる。
出産前の過度な調整により衰弱していたアンナは、心労に耐え切れず病床につき、死亡。
リコは母と自分を捨てた父と、確たる理由も無く亜人を迫害するキスレブを激しく憎悪するようになる。
レッドラム
キスレブ地下水道に生息する殺人鬼。
元は人間だったが、操作された結果、モンスターに変異した。
孤児院にいる少年の父。「方向音痴」は人間の頃の名残り。
レネ・ファティマ
ロニの弟。大戦中は兄と共に行商隊の頭領としてニサンに協力していた。
教母補佐官のジークリンデと結ばれるが、崩壊の日で兄を庇い最後まで抗戦、死亡した。
娘のイゾルデは、ニサン正教の第二代教母となる。
ローレンス・メイソン子爵
かつてアヴェの近衛騎士団に所属、エドバルトIV世に仕えた貴族。
幽閉中のバルトとマルーを救出し、以後はユグドラでメカニック関係の総指揮をとる。
普段は非常に穏やかであるが、若かりし頃はかなりの強者であったらしい。
幽閉されたバルトとマルーを救出した際、バルトの処遇の酷さに激昂したシグルドが、単身シャーカーン殺害に乗り込もうとするが、厳しく叱咤し思いとどまらせた。
ロニ・ファティマ
アヴェの国祖。ソラリス戦役では大規模な行商隊の頭領をしていた。
崩壊の日ではギア・バーラーを駆り、グラーフ率いるディアボロス軍団を撃退。
その後、ソラリスに対抗し得る勢力の確立を目指し、アヴェを建国する。
ワイズマン
グラーフ融合後のカーンのもう1つの姿。
グラーフがラカンの意志を体現する存在なのに対し、ワイズマンはカーン本来の人格に近い。
グラーフとして行動している中で、限られた時間だけ、ワイズマンが顕在化する。
破壊を欲するグラーフに対して、ワイズマンでいる時は世の救済を求めている。
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