台詞集

緑の静寂をやぶるもの




フェイ
「エリィ!!▽


フェイ
「エリィ、大丈夫かっ!?▽
 くそっ、気を失っている!▽


「フェイ〜!!

シタン
「フェイ! 探しましたよ。
 さあ、これを使ってください!▽

フェイ
「な!?
 ちょっと待ってくれ!
 これをって言われても…▽

フェイ
「エリィ…
 くそっ!▽

フェイ
「先生! 頼みがある!▽
 この化けモンは俺が必ず倒す。
 だけど、もし前のように途中で
 暴走しそうになった時は、
 俺ごと撃ってくれっ!▽

シタン
「フェイ……
 そうならない事を
 祈ってますよ!▽


シタン
「フェイ? 大丈夫ですか?▽

フェイ
「ああ……なんとかね。▽

シタン
「あのランカー相手に見事なものだ。
 あいつはね、並のギアでは
 倒せない程の怪物なんですよ。▽
 さすがにふだんから身体を
 きたえていると……▽

フェイ
「先生。
 なんでこいつを運んできたんだ?▽

シタン
「こいつって……
 ヴェルトールのことですか?▽

フェイ
「……ヴェルトール?
 こいつは……村を破壊した元凶の
 ギアじゃないか。▽
 なんだってそんなものをわざわざ?
 俺は、ギアなんてもう二度と
 見たくなかったのに……▽

シタン
「気持ちはわかります。
 ですが、身を守り、生き抜く為には
 ある程度の自衛の力がなくては。▽
 我々のように追われる立場の者は
 なおさらね。▽

フェイ
「身を守るためにある程度の力が
 必要だってのは俺も解ってるよ。▽
 だしかにこいつがなかったら、
 俺もエリィも、今頃は
 ランカーの腹ん中だったろうしな。▽
 だけどこいつの力は、
 ある程度なんてものじゃないだろ?
 全てを破壊してしまうような力が
 本当に必要なのか?▽

シタン
「…………▽

フェイ
「俺はそんな力、要らないよ。
 やっぱり……ギアは好きじゃない。▽

シタン
「フェイ。力に使われるも、
 力を使うも、それは人間の側の
 心の問題……▽
 人が誤った使い方さえしなければ、
 それは良き力となり、我々を助けて
 くれるものと私は信じてます。▽
 それにあなたならきっと
 大丈夫ですよ。
 現にその方を助けられたでは
 ないですか。▽
 違いますか?▽

フェイ
「俺だってそう思いたいさ。
 思いたいけど、思えない何かが
 あるんだよ。こいつには……▽

フェイ
「まあいい。
 とにかく今はエリィが
 無地だっただけで十分だ。▽

シタン
「気がついたようですね?▽

エリィ
「私……▽

シタン
「私はシタン。
 フェイの友人です。▽
 いやぁ、あぶないところでしたね。
 彼が助けに入らなければ、
 あなた今頃どうなっていたか。▽
 もっとも生身でランカーに
 挑みかかるような彼の無鉄砲さは
 いただけませんがね。▽

エリィ
「生身で?▽

シタン
「まぁ、おかげで万が一の時の為にと
 持ってきた物が無駄にならずに
 済みましたけど……▽

エリィ
「!!▽

シタン
「キスレブ軍が落としていった物を
 拝借したんですよ。▽

エリィ
「……そう。▽

エリィ
「ありがとう、フェイ。
 これで二度目ね。▽

フェイ
「いいよ、礼は。
 その代わり一つ貸しにしとくぜ。
 な?▽

シタン
「辺りも暗くなってきましたね。
 今日のところはここで野営にして
 明日の朝出発することにしませんか?▽
 ふたりとも疲れているようだし
 こいつも修理が必要なようですしね。▽


シタン
「ダメだな。膝のアクチュエーターと
 バイパス回路が、完全にイカれて
 しまっている。▽
 アクチュエーターはともかく
 回路の方は交換パーツがないと……。▽

シタン
「おや?
 寝付けませんか?▽

エリィ
「あ……▽

シタン
「無理もない。
 昼間あんな事があったばかり
 ですからね。▽

シタン
「村が襲われた時、
 フェイが乗った機体です。▽
 そういえば一機だけ、
 村の外れに放置されていた
 機体がありましたね……▽
 ニル バイア ダース レグス?
 (あれはあなたのものですか?)▽

!

シタン
「やはりそうでしたか。
 ラハンへ不時着したギア、
 姿を消したパイロット、▽
 それらと時を同じくして樹海を
 さまよう謎の少女……。
 これらの関連性が無いはずがない。▽
 加えてその格好、
 どう見たって軍属のものですよ……
 違いますか?▽

エリィ
「どうして?
 あなたは一体……▽

シタン
「ラハンの戦闘の犠牲になった
 兵士達のIDタグを見たんですが……▽
 そこにあったデザインが、
 貴方の服についているものと
 同じだったんですよ。▽

!▽

シタン
「手厚く葬っておきましたから
 心配いりません。▽
 もっともここは異国の地だから
 彼等としては不服でしょうけど。▽

エリィ
「そう……ですか。▽

シタン
「フェイは貴方のことは?▽

エリィ
「多分、気付いていないと思います。▽

シタン
「でしょうね。
 フェイはラハン以外の
 世界を知りませんからね。▽

エリィ
「あの……▽

シタン
「……ま、いいでしょう。
 お互い深い詮索は無しということに
 しておきましょうか。▽

エリィ
「でも……▽

シタン
「私は、ただ他の方々より少しばかり
 世間に詳しいだけですよ。▽

シタン
「ところで、エリィ。
 折り入って貴方にお願いが
 あるのですが……▽

エリィ
「……何か?▽

シタン
「この先を真っ直ぐ抜ければ
 街道に出ます。▽
 このまま……
 フェイが眠っている間に
 我々の元を去って頂けませんか?▽

!?▽

シタン
「フェイの周りで何やら
 良からぬ事が起こりつつあるような
 気がするのです。▽
 出来ることなら守ってやりたい……
 不毛な争いに巻き込まれて
 欲しくないのですよ、彼には。▽
 それにこれは貴方の為にも
 言っているんです。
 エリィ、貴方はこんな所に
 いるべき人ではない。▽
 国の御家族のもとへお帰りなさい。▽

エリィ
「あの……、私……▽

シタン
「心配しなくても、フェイに
 あなたの正体を明かすような事は
 しませんよ。▽
 適当に……家族が迎えに来たとでも
 言っておきますから。▽

エリィ
「違うんです!
 私、フェイにひどい事を……▽
 だから、彼に……その……
 ……ごめんなさいと……
 伝えてほしいんです。▽

シタン
「ひどい事?▽

エリィ
「フェイから聞いたんです。
 私達が来たことが原因で村が
 潰滅したって。▽
 フェイは、奴等さえ
 来なければ……と。▽
 それで私、自分が責任の重圧から
 逃れたいばっかりにフェイに
 卑怯だって言ってしまったんです。▽

エリィ
「私があの村に不時着さえしなければ
 村は平和なままでいられたはずです。▽
 無関係の人達を巻き込むことも
 なかった。
 なのに私……▽

シタン
「珍しい方ですね、貴方は。
 あそこの人間はそういった
 ものの考え方はしなかったはずです。▽
 彼等にとって地上の人間は
 家畜同様……▽

エリィ
「『牧羊者<アバル>は
  地上人<ラムズ>を管理統制し、
  その生殺与奪の権利も持つ……』▽

シタン
「そう、それだ。なのに貴方は
 フェイやラハン村の人々に
 対して責任を感じている。▽
 なぜです?▽

エリィ
「自分でもわかりません。
 私はユーゲントで、地上人は愚かで
 野卑なものと教わりました。▽
 だから我々が管理する必要があると。
 ……でも……▽

シタン
「実際にフェイと出会って
 感じたものはそれとは違っていた?▽

エリィ
「ええ。
 私達となんら変わらない……
 むしろ、たくましくさえ感じました。▽
 私達が持っていない何かを
 持っているような……
 それに、私なんかの為に二度も
 身を挺して戦ってくれた。▽

シタン
「あそこの人間は普通、
 そういった行為を受けることをも
 恥とするはず。▽
 しかし貴方はフェイに
 感謝している。▽

エリィ
「多分、父の影響もあると思います。
 父は地上人に寛容でしたから。▽
 私の乳母は……地上人なんです。
 外には隠していましたけど。
 それに……
 私にもフェイと同じ……▽

シタン
「同じ?▽

エリィ
「い、いえ。
 なんでもないんです……。▽

シタン
「なるほど。
 なんとなく理解出来ました……▽
 あ、すみません。
 先程詮索しないと言ったばかり
 なのに。
 うーん、これは性分だな。▽
 妻にも良く言われるんですよ、
 しつこいって。
 それとあなたは口数が多いとも
 言われます。▽
 自分ではそんなに多いとは
 思わないんですけどね。▽

シタン
「しかし、そういうことならなおさら
 国に帰った方がいい。▽
 やはりここはあなたのいるべき
 ところじゃない。▽

エリィ
「本営には戻ります。
 でも、その後のことまでは……▽

シタン
「悩んでいると……▽

エリィ
「ええ……。▽

シタン
「悩むのは当然です。
 “私も以前はそうでした”。▽

エリィ
「シタンさん……。▽

シタン
「フェイには上手く
 伝えておきます。
 さぁ、お行きなさい。▽



    

前へ← 台詞集TOP →次へ

メール
Copyright © 2008 SQUARE ENIX CO., LTD All Rights Reserved